正直に書いてしまいます まず、すごく長文です。王力宏(ワン・リーホン)の音楽について、 日々悶々と考え続けてきたことを吐き出してます。(腱鞘炎も治ったし・笑) もしこれを読んでやろうじゃないかという奇特な方、 文章が乱れておりますが何とか読んでやってくださいm(_ _)m 4/5発売の日本盤「蓋世英雄」。 chinked-out第二弾もめでたく日本から発売されて、バンザーイ!といきたいところですが、 先に台湾盤を聴いている身としては、やはり…“愛にゆこう”は「蓋世英雄」じゃあ…ないんだよな。 あれはやっぱり「心中的日月」の曲なんだよ。たとえそれが日本語でも。。。 1曲抜けて曲順が繰り上がった上に、前作の曲が入るとまったく違う印象になってしまいました。 しかも、日本盤「蓋世英雄」はまるで“愛にゆこう”がメインのようなことになってる…。 私は声を大にして言いたい。 ちがーーーう! チガウンダヨ。ソウジャナインダヨ。 どう聴いても良い曲は良い曲なの。それはそうなんだけども、 アルバムが一つの作品だという観念が私の中にはすごくあるので、 中盤以降の展開が「蓋世英雄」の破壊力に欠けて残念。残念なんて言葉じゃ言い尽くせないよ。。。 “讓開”で締めくくりだと確かにぶつ切り感があるけど、 そこはボーナストラック的な“愛 因為在心中”でデクレッシェンドも良かろうと (これが隊長が全面に出てたら全然イメージ違ってただろうし)、 そう思っていた「蓋世英雄」にもう1つボーナストラックがついてしまうと、 多少感じていた(しかし気付かないようにしていた)消化不良感が増してしまいました。。 「蓋世英雄」はやっぱり、どこまでもやんちゃで元気に締めてほしかった。 “FOREVER LOVE”はやっぱり「心中的日月」なのさ。蓋世に入れるべきは、 パワー炸裂の破壊系なんだってば。 隊長のバラードが秀逸なのは認める。しかし、せっかくゴスペラーズとやるんだし、 ここは隊長のチャレンジ精神を最大に利用してですね、 隊長一人では出来ないコーラス重視の重厚な楽曲なんぞやってみて欲しかったですな。 あとはドゥワップとか(これは私が個人的に聴きたいだけなんだけど・笑) chinked-outに拘らないんだったら、いっそのことそうして欲しかったよ。 日本語の発音がとてもいいのも認めますが(そして日本語で歌ってくれるっていう心遣いもとても嬉しいけど)、 せっかくのボーナス(しかもコーラスグループとの競演)ならば、思いっきり実験してくれていいの。 例えば楽器なしの声のみ。 シンプルだけに隊長のシンガーとしての魅力が光ると思うんだけど。私はそういうのがとても聴きたい。 さて。“愛にゆこう”にまだ慣れていないせいか、いやたぶん國語を聴きすぎているせいもあるんだけど、 隊長がよその人みたいで…。 隊長の曲なんだけど隊長の曲じゃない、みたいな。。。 歌詞がとても宝塚なんですよねぇ。これは私としては妙に聴きなれた言葉遣いでして(笑) こぼれ落ちた言葉 我愛[イ尓] だったとは。。。そうでしたか。 アレンジは隊長ではないので、隊長の曲を聴くといつも感じている ≪メロディーと楽器の音と声の密着感≫が薄い感じがします。 これは日本語ということもありますが、アレンジの部分が大きいかなと思う。 サラッとしていて、これはこれで聴きやすいことは確か。ただ、何か物足りなさを感じてしまうのも確か。 (この思いは日本語アルバム「Hear My Voice」に感じる感覚と同じ) 結果、やはりこれまで感じていた通り、≪日本語のために作曲された曲でないのならば、 日本語で歌ってくれなくても全然構わない≫という思いを再認識しました。 “FOREVER LOVE”という曲は本当に綺麗な曲だし、 “愛にゆこう”の歌詞も日本語らしい余韻と遊びのある言葉の選択で(特にサビの部分が上手い)、 日本語詞だけでもう1つ記事が書けるくらい、かなり色々解釈して楽しんでおります。 だけど。だけど、やっぱり「違うんだ」という思いだけは拭いされない… この悲しみにも似た不思議な感覚を、私は誰に訴えたらいいのだろう。 どんな形でこの曲を聴いたら清々しく向き合えるんだろう。。 そう感じてしまうのは、まだ私の度量が狭いからなんだな…。 現在までで、隊長の音楽は12枚のアルバムを聴きました。 (内、聴きこんでいるのは8枚ほどで追いつけてない状態) その上での印象として。王力宏という歌手は、根っからの音楽人なんだと思いました。 職人であり創作人であり夢追人。 コツコツと自分の音楽を重ねて一つを創り上げていく、そういう感じ。 外からの刺激で少し形を変えても、すぐにそれは吸収されて王力宏という形へと変化していく。 吸収されたものが混ざり合って爆発する瞬間こそ、 王力宏の音楽が最大級に輝いてる時なんだと感じます。 それはたぶん今後も変わらないんじゃないかな。 そう思うと、私はやっぱり王力宏という音楽家が見せてくれる限りなく大きな可能性に 期待せずにはいられない。 (2006.02.23.) |