ATTENTION:ネタバレ内容が含まれていますので、未見の方はご注意ください。
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【エバー・アフター】 | |||
原題:Ever After 1998年 アメリカ作品 監督:アンディ・テナント 公式サイト:日本 アメリカ 時間:124分 音声:日本語/英語 字幕:日本語/英語 |
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レビュー | |||
ベースは誰もが知っている「シンデレラ」。だけどこの物語の主人公ダニエル(シンデレラ)は賢くて優しくてとっても強い! 自分の人生は自分の手で切り開く。すごく前向きでステキな女の子です。 こういう見終わった後に希望が持てるような作品はすごく好き。 特にヒロインのキャラクターは私にとって重要で、その意味でも「エバー・アフター」は私好み。 基本はシンデレラのストーリーを追いながらも細かい所で遊びがあったりしてそれがまたこの作品の楽しさの1つ。 ちゃんとファンタジーとして成り立っています。 主演のドリュー・バリモアのいきいきとした表情がどの場面でも輝いています。 彼女の演技によってよく知られたストーリーも飽きさせず、 また従来の解釈とは違った切り口のシンデレラ像であるため新鮮味があります。 そして「シンデレラ」ですからもちろん王子様も出てきます。 ここがちょっと私の中でしっくりこないんですけれども、王子役のダグレイ・スコットがですね。。 何て言うかダニエルのお相手としては「?」なんです。 もうちょっと人生に悩んだ知的なイメージの王子様が良かったかなぁ。 彼はとても賢い人だと思うんですよ。だから愛のない政略結婚に気乗りしない。 そして自分の立場の何たるかを理屈としては知っているけれど、 どう生かしていったらいいのかってことに疑問と悩みを抱いている。 それを打破するきっかけとなったのがダニエルとの出会いなわけです。 召使いとしてこき使われながらも日々を明るく一生懸命に生きているダニエルは、 たとえ彼女の実生活を知らなかったとしても王子から見ればとてもキラキラして新鮮だったに違いありません。 彼女は自分に対して率直な意見を口にし媚びを売ることもしない。 今まで自分の周りにいなかったタイプの少女の魅力に惹かれるのは当然と言えば当然。 王子はダニエルの名前さえ教えてもらえないまま、彼女を好きになる。ダニエルその人を好きになったわけです。 なのに、舞踏会で彼女が本当のことを打ち明けようとしたのに継母から先に事実を突きつけられてしまい、 自分の身分と釣り合わないと彼女を拒否する。 (ヒドイやっちゃ。好きなだけに事実を認めたくない気持ち、おばちゃんはよーくわかるよ。 だけどダニエルもすっごく勇気を出したんだよ。そこのところ分かってやって頂戴よ。王子さん) 彼は心の底では自分の言葉をきっと後悔してたと思う。 そこにダ・ヴィンチの爺ちゃんが現れてアドバイスしてあげるんだけど、これまたおぼっちゃん育ちゆえに拒否しちゃう。 最終的には自分の気持ちに素直に向き合ってダニエルの元へ行くんですよね。(若者はそうあるべきです。ヨカッタ。ヨカッタ) ・・・って、王子がダニエルのことを好きになる過程はとっても分かるんですよ。 それは彼自身の演技ではなく、ダニエルの演技によって私が考えたものなんですけどね。 一方、ダニエルも最初は反発を覚えながらも王子のことを好きになっていくんですね。 ・・・・・・ここなんですよ。ダニエルは王子のどこを好きになったんだろう。 なんとなく分からないでもないけど、よーく考えるとやっぱりわからない(笑) 王子はきっともっと深い人物なんだと思うんです。文学や哲学、芸術にも深い理解を持った人だろうと思うし。 途中ダ・ヴィンチと出会ったシーンでも「父の石頭をぶち壊してほしい」とか言ってるし。 ということは、自分が王になったならばもっと新しいことをやりたいと感じてるんだと思う。 思うんだけど、どうもその辺の王子の人物像ってのがサラ〜ッッと流れちゃって私の中で納得いかない部分なんですよね。 すべてにおいてちょっと受け身すぎやしないかい?この辺がおぼっちゃん育ちの王子様なんでしょうか・・・・。 この映画で気になったのが継母にくっついてきた二人の姉。のうちの1人。 二番目の姉になるのですが、このメラニー・リンスキーがちょっとふくよかで、それがいい!とっても可愛らしいです。 母はいつも上の姉ばかりを可愛がっていてこの子のことはほったらかし。 というか血の繋がった娘なのにこんなに贔屓するのかよ!って感じ。 そのせいもあってダニエルに対しても優しい気持ちをもった女の子。 彼女は最後ちゃっかり自分のお相手を見つけたりなんかして、もしかしたら人生の達人かもしれません(笑) この映画には魔法は一切登場しません。だけどちゃんとみんなが知っている「シンデレラ」。 唯一つ。王子との結婚によってお姫様になれたシンデレラの物語ではなく、 王女のような聡明さを持ったシンデレラが王子をホンモノの王に変身させた物語。と言っておきましょう。 ガラスの靴ならぬ、ダニエルの母の形見という設定で靴も登場します。 なんとフェラガモが18世紀の資料から選び抜いたデザインだそうでとっても綺麗な細工の施された靴でした。 また、衣装についても、ダ・ヴィンチも登場することからルネッサンス期のお衣装となっています。 イタリアっぽさ満点なのですが、舞台はフランス。ヘンリーって英語読みでないかい?フランス語だとアンリだよ…。 シンデレラも英語読みだからいいのか。(フランス語だとサンドリヨン) |