MENUBOOK2009

■わたしのマトカ / 片桐はいり
舞台女優としての印象の強い片桐はいりの初著書。
主に映画「かもめ食堂」の撮影のため訪れたフィンランドでの滞在記。
個性的な演技を文章からも垣間見ることが出来る。彼女の感性は「いかに人を不愉快にさせ、それをユーモアで包んでしまうか」という個性に集約されていると思う。文中にもそのような表記が出てきて、本人もそう思っていたのか〜と妙に嬉しくなった。
旅はただその経験だけでもすべてが非日常であり、まるで芝居のようなもの。それを彼女の目を通し、記憶の中で熟成されてくすっと笑いを誘う。いかにも片桐はいりらしいシュールさを忘れていないところが嬉しい。
またフィンランドだけでなく、過去の彼女の旅についてもところどころで触れられており、それぞれに彼女ならではのフィルターを通して表現されている。
旅は行く前の計画と、帰ってきてからのノート作りが楽しい。
この本読んでみると、自分もまた旅の思い出をつづりたくなってしまう。

あくまで個人的な感想ですのでご参考程度にお読みいただけると幸いです。
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