≪ メ モ ≫
県内には「御膳水」や「御茶水」と名付けられた湧水が数ヶ所あるが、いづれも明治天皇が東北
を巡幸した際にお茶や料理用として使用された湧水である。
天皇一行は明治9年、三戸から本県に入り、五戸、七戸、野辺地、青森を経由し函館から横浜に
戻られ、また明治14年には再度本県に八戸から入り、その後北海道に渡り、また青森に戻って
弘前を経由して秋田県に向かわれている。
弘前市吉野町、八戸市鮫町、野辺地町愛宕公園の「御膳水」と、大鰐町蔵館、そしてここ弘前市
石川の「御茶水」がその時の水である。
弘前市と大鰐町にまたがる尾開山の中腹にあるこの水は、昔から「ナガサカの水っこ」と呼ばれ、
水量も豊富で、味はとろみのあるまろやかさで少し甘味も感じられる名水である。
石川町会がブナの苗木を植えたり、湧水施設の整備工事を行ったりして大切に守ってきている。
尾開山周辺は、かつて修験者や忍者の修行の場だったと言われ、また、クリ山としても有名だそ
うで、今でも種グリと呼ばれるクリの巨木が山頂近くに残っているらしい。
また尾開山と隣の堂ヶ平山一帯は、東北自然歩道・新奥の細道「名水と忍者修験道のみち」とし
て歩道や案内標識が整備されているので、堂ヶ平山にある「桂清水」と合わせて湧水めぐりをす
るのも良いだろう。
湧水は、石川の駅からりんご園の中を進み、舗装された尾開山林道を登った標高約250b地点にある。 |
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