≪ メ モ ≫
大鰐町の鯖石から県道13号を黒石方面に進み、しばらく行って東北道のインター付近で県道を
逸れて右側の道路に入ると大きな鳥居が見えてくる。
乳井神社の鳥居である。
参道が真っ直ぐに山の方に延びていて、二の鳥居前の左側に小さな小屋があるのがわかる。
小屋にかかっている表示版を良く見ると、墨が薄くなっていて半分は読み難くなっているが、
「桂清水」という名とその謂れが記してある。
乳井神社の創建は坂上田村麻呂が津軽に7社建立した内の1つで、毘沙門天が勧請され武器が納
められたと伝えられている。
乳井という名は、「災いの前兆で手水が白く濁る(乳の井)」との言い伝えからこの名前が付い
たそうだ。
湧水は以前は神社右手にある桂の木の根元から湧いていたそうだが、その後現在の地に移設され、
汲みやすいようにポンプ型の形状となっていて、蛇口をひねると勢い良く流れ落ちる。
乳井神社は江戸期まで「乳井福王寺毘沙門堂」と称していて熊野修験系統の山伏寺だった。その
勢力は大鰐から平川の右岸の山岳一帯の広い地帯におよび「津軽の法師三大名」といわれるほど
だったという。
別当は福王寺氏といい、のちに乳井氏を称し、津軽地方の南部氏支配からの独立に寄与したという。
ここの湧水も津軽地方の由緒ある湧水の一つである。 |
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