八甲田山の南、標高約700b地点にある善光寺平は高冷地野菜の産地であり、昭和の中ごろに
板柳町から入植してきた人達の開拓地である。
黒石から十和田湖方面に向かう国道102号を進み、温川温泉の手前にある「善光寺平入口」の
バス停から、舗装はされているが急で狭く、しかもくねくね曲がった山道を登ると突如左側に
湧水が現われる。
見上げると斜面の中腹に白いマリア像があり、「なぜこんなところにマリア様が・・」と一瞬
びっくりする。
特に木々の緑が鮮やかな時期に訪れると、マリア像の白い色が一層強調され、もっとびっくり
するに違いない。
道路沿いにあるこの湧水は、汲むというよりは通りががりに一杯飲んでいくという感じで数個
のコップが置かれてあるが、手を入れると痺れるほどの冷たさで、癖もなく大変おいしい水で
ある。
この湧水の名前の由来は、入植当時、黒石カトリック教会がこの地域に教会を設けて布教活動
を行った際、住民が、奇跡の泉と呼ばれマリア様が現れたということで世界的に有名になった
フランスの「ルルドの泉」にあやかり、山に来る人々の喉と心を潤す水辺にマリアの像を建て
たいと望んだのがきっかけで祭ったからという。
神や仏に纏わる湧水は県内にも多数あるが、キリストに関連する湧水はここだけではないだろ
うか。
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