この清水は、湯沢駅前の商店街の一角にあり、昔から良質の水が出たところで数軒の作り酒屋が
あった場所である。
なんとも奇妙な名前の清水であるが、約400年もの長い間続いたといわれる湯沢地方の民俗行事
「犬っこまつり」にちなんで付けられた名前である。
このまつりは、昔、白昼堂々と人家を襲う「白討(はくとう)」という大盗賊がいて、湯沢の殿
様がこれら一味を退治し、再びこのような悪党が現れないようにと、米の粉で小さな犬っこや鶴
亀を作らせ、旧小正月の晩に、これを家の入口や窓々にお供えして祈念させたのが始まりとされ
ている。
湧水は現在地下水の汲み上げ方式で、道路を挟んでオスとメスの犬の下から流れている。
何でオスメス二匹なのかは不明である。
|