4日目(12月31日) |
1.シントラの朝 |
リラックスできる部屋で思いっきり爆睡し、8時半から始まるホテル併設のカフェに向かう。
通りのフルーツショップはすでに開店していた。
オレンジが1kgで2ユーロ程度なのはリーズナブルだとして、チェリーが1kgで、およそ15ユーロというのは、標準的なのだろうか?
日本でもブランド物のサクランボなら、もっと高いかな?
などといったことを考えていると、ほどなく朝食会場に到着。 |
2.シントラの朝食 |
駅の通り沿いに、宿泊したシャレーと同名のカフェが有り、昨日の日中は観光客で大混雑していた。
「宿泊客だけど、朝食はもう食べられる?」と入って行くと、ウエルカムな感じで奥に通してもらえる。
どうやらビュッフェではなく固定メニューが提供されるようだ。
パンとハムとチーズに、ヨーグルトたっぷりフルーツを添えオレンジジュースと巨大サイズのコーヒー。
ポルトガルで最もポピュラーなスイーツのナタが添えられる。パンは美味しいが、チーズやハムは日本が上かも知れない。
そしてやはり、野菜類が不足している。
ヨーロッパで健康を維持するのは、日本よりも難しそうだ。 |
3.ペーナ宮殿 |
腹を満たしたら、宿に戻らず、そのままシントラ駅そばの循環観光バス乗り場へ。
始発が9時半であることは、昨日の内にチェックをしておいた。
10分前に行くと先客が4名。 白人のアベックと、韓国人の男二人組。
バスを待っていると、警官みたいな恰好をした男性が近づいてきて、ハンドセットでチケットを売ってくれる。
午後にはロカ岬にも行きたいので、5ユーロの巡回パスではなく12ユーロのディリーパスをゲット。
ロカ岬を往復しても7ユーロもしないから、個別に買った方が安上がりなのだが、手間を省いてしまった。
定刻ちょうどくらいにバスが現れるが、この時間なら、その後に増えた人たちも含めて全員が座れる。
シーズンは激混みらしいが、この季節はユッタリしたものだ。
およそ20分でペーナ宮殿へ(その前に通るムーアの城壁は戦略的にスルーした)。
色とりどりで様々な建築様式が折り雑ざっているペーナ宮殿には、オープンの10分前に到着。
バス停すぐの自動券売機で入場券を買うのに苦戦している内に開場。
結局のところ、ここの券売機は壊れていた。
バスが到着するゲートから、メインの建物入口までは5分ほどの坂道を登ることになる。
別途3ユーロで敷地内の循環バスに乗れるが、自然豊かな山道を足で昇るのは気持ちが良いので、身体に不自由が無い人は歩いた方が良いと思うが、
大半の人はバスチケットを買っていた。バスを待っている内に、歩いた方が早く着くのだが。 |
|
正門から中庭に入ると、さらに奇抜な配色の建物が迎えてくれる。
西北西方向には東大西洋。
ロカ岬方向は見えない。
気温は12度くらいだろうか?セーターを着て歩くと、少し汗ばむくらいだ。
建物は奇抜でも、やはり中は正統派の王宮。
正面のドームなどはイスラムの影響も受けていると感じたが、
各所にステンドグラスなども配されており、
キリスト教の様式も色濃く盛りこんでいる。 |
|
世界でも高名な城を挙げるなら、ドイツのロマンチック街道の南端に有るノイシュバンシュタイン城は外せないところだが、
同城の建築を命じたルートヴィヒ二世の従弟にあたるフェルディナンド二世が、ドイツの技術を使って、この城を完成したらしい。
小一時間ほど見て回り、中庭から北の方角を眺めると、ムーアの城壁が、「そろそろおいで」と誘ってきた。 |
4.ムーアの城壁 |
ペーナのゲートからムーア城壁のチケット売り場まで徒歩で5分程度。最初に、意図的にスルーした際に確認しておいたので、不安なく到着。
チケットを買って、チェックの無い狭い入り口を通り抜けると、道は登りではなく下っていた。
やがて少し登って、チケットのチェックを受けると、登り道が別れる。 |
|
右が低い方の城壁で、最高所に行くには正面方向に向かう。まずはニセピークの方に行ってみるが、シントラの街の展望がいい。
そこから最高所へ。
ペーナ宮殿からの展望と大差はないが、遠方に東大西洋が広がっており、ロカ岬方向には森が茂っている。
ここから見るとペーナ宮殿は、上方に聳えるという位置関係になる。 |
5.ロカ岬 |
ムーアの城壁から乗ったバスは意外と空いていた。
先にペーナに行ってからムーアに戻ったのは、バスが混雑していても、ムーアから乗り込んだら、ペーナで殆どの客が降りて必ず座れると計算したのだが、
冬季の午前中は、心配する必要が無かったらしい。
巡回バスがシントラ駅に戻ると、すぐ近くにロカ岬行きのバスが出発を控えていた。
ロカ岬行きが毎時10分と40分であることは確認していたので、循環バスの中で乗れるかな?と思っていたのだが、3~5分程度の余裕で乗り換えも完了。
ディリーパスを運転手に見せるだけだし、席も空いていて非常にスムース。
45分くらいで岬のライトハウスが正面に見えてくる。
インフォメーションセンターの前にバスが停車すると、乗客は申し合わせたように西を目指す。
「ロカ岬」。 ポルトガル語で「CABO DA ROCA」。
ポルトガルの最西端であるだけでなく、地球上でもっとも広大なユーラシア大陸の西の果てでもある。
端っこ好きの私としては、いつかは来ようと思っていたのだが、実に苦労なく到着してしまった。
大西洋に突きだした岬の碑には有名な、「ここに地果て、海始まる」の言葉が刻まれているが、詩人の言葉としてはダイレクトだなぁ。。。
計画よりは順調過ぎて早く着いてしまったが、2016年最後の夕陽は、ここから見送るというのが本日の作戦である。 |
|
岬近くに有る唯一のカフェで、2オーダーで二時間近く粘ったりもしたが、
地球は約束通りに自転して夕暮れの時刻を迎える。
一昨日に、リスボンのサン・ジョルジェ城で日没を迎えたのは17時26分だったが、
今日の日没も5分とは変わるまい。
夕暮れが近づくと、碑の付近に人が増えてくる。
黒人とアラビア人は、やや少なかったが、インド人もいたし、
アジア系は多く、もちろん白人が多数派。 |
|
直径2つ分くらいを残して、太陽は雲に隠れてしまう。
再び太陽が現れて水平線に没するのを期待しているのか、余韻を楽しんでいるのか、みんなは動かない。
私はというと、10分後にシントラ行バスが出ることを知っていたので、バス停方向に撤退しながら写真を撮り続けた。
先にバス停で並んでいたのは5名。
バスが来て普通に座れるが、その後に大量の客が押し寄せ、すぐに立乗りで埋まって、乗りきれなかった人も発生。
カスカイス行きなら10分後に来るが、シントラだと30分は待たなければならない。 寒くなってきた中、ちょっと気の毒。 |