台湾2006

1日目(5月01日) 1.夕刻の出発
今回は、16時25分出発のチャイナエアCI101を確保。
GW中であることを警戒して少し早く、14時ちょっと前に成田第二に到着したが、意外なほど人は少ない。
やはり出国は、昨日までと明後日からに集中しているのだろうか?
一応、安心感だけのために2万円を成田で両替。 数円の端数と4900元を受け取る。がっかりするほどレートが悪い。
機は概ね、予定通りの時刻に乗機案内があったが、出発時刻に男女2名が駆け込んできた。 その影響か、少し遅れて16時40分頃に離陸。

去年はエバー航空で映画「いま会いにゆきます」を楽しんだが、チャイナエアは個人用のモニタは設備されていなかった。
夕食後に映画「ラストホリデー」
機内で観る映画に贅沢を言う気はないが、台北が近づくと機内放送でプツプツと途切れる。
中国語と英語のアナウンス(多分機長室から行っている)の時は映画が停止するのでまだ良いが、日本語アナウンスの時は、セリフだけ途切れて
映画が進んでしまうので、クライマックスでワケがわからなかった。

2.台北
わずかに遅れて現地時刻19時ちょうどに着陸。速攻でイミグレを駆け抜け、ターンテーブルを無視して、19時15分に一番で税関を通過。
ここで4万円を両替したら、10800元ほどになった。
国光バスでタイペイツァンツァ(電車駅)行きのチケットを購入、125元。
バスは私が乗り込んでほどなく、19時30分かっきりに少人数の乗客で出発したので、急いだ甲斐があったというものである。
第一ターミナルで数名の乗客を追加した後、20時半の少し前に台北駅に到着。

臺鐵台北駅に直行し、21時にクローズされる予約カウンターで明日のチケットをゲット。あまりに順調であっけない。
地下道を通ってMRTの台北駅に行き、去年の遊遊カードに100元を加金。去年の残金は107元だった。
そのままMRTに乗って西門駅へ。そこから徒歩5分の、以前にも泊まった安宿に21時直前にチェックイン。
夕食は機内食のみだったので、シャワーを浴びてから、近くのパン屋に点心を買いに行く。22時までの店だったが、閉店間際にギリギリゲット。
2日目(5月02日) 1.活動開始
本日は阿里山に行こうかと駅で奮戦。 席を確保した電車の発車時刻は8時36分。
朝食を駅で食べようと思い、早目にホテルを出て臺鐵台北駅に行ったが、
レストランは閉店していた。 新幹線工事の為だろうか?

一時間ほど余裕があったので地下のグルメストリートに寄ったが、
この時間帯では惹かれるものがなかったので、
結局は50元の駅弁を買って嘉義に向かう自強号に乗り込んだ。
日本円で言うと180円程度の弁当だが、なかなか旨かったりもする。
車窓の風景は日本のそれと大差はない。
時折、興味深いお寺なんぞがあったりもするが、日本の車窓だって、注意深く眺めていれば、ユニークな建造物の一つや二つは目に付くはずだ。

2.嘉義駅へ
自強号の座席はポケット付き。
切符はカードサイズと、日本の短距離切符サイズの二枚が発行され、小さい方を専用のポケットに入れておけば、検札で声をかけられずに済む。
ほぼ定刻に嘉義駅に到着。
改札を出ると、3~4人が「アリシャン?」と聞いてくる。
駅の敷地内で営業しているし、首から身分証のようなものも下げているので、怪しい連中ではなさそうだが、彼らのツアーだとバス移動だろうが、
鉄道に乗りたいので構内の切符売り場に向かう。

3.阿里山行は本日完売
駅前には国光客運のバスターミナルも有るので、移動手段の自由度は大きい。
ところが、目当ての窓口には「今日の阿里山行きの切符は完売」という意味の掲示がされている。 中国語は、会話は聞き取れないが読むのは楽。
念の為に窓口内の人にも聞いてみたが、あっさりと「メイヨー」だった。(「無いよ」の意味)
そこで、2日後のチケットの有無を聞いてみると、今度は「ヨー」。(「有るよ」の意味)

すかさず399元でゲット。 戻りは列車を待つと遅い時刻になるので、バスで下る事にして往復切符(来回票)は買わなかった。。
明後日の席を確保したので、今日はこのまま南に向かうことにしたが、この時点で台湾一周は出来ない事が確定してしまったことにもなる。
(ただ一周するだけなら可能だが・・・。)

4.北回帰線通過
高雄に14時少し前に到着する自強号に乗って北回帰線を越え、南下を始めたが、電車内で検討し、今日は高雄で泊まらす、恒春を目指すことにする。
そうすれば、翌朝の暑くなる時間帯の前に、台湾の最南端に行きつけるし、その後の選択肢も広がる。天気も今日は高雄より恒春の方が良さそうである。
高雄駅は近代的。例の懐かしき駅舎は現高雄駅から200mほど東側に願景館として鎮座している。
(牽き屋による移動のニュースは、日本でも報じられた。)

高雄駅の二階にある改札からエスカレータを下ると、タクシー運ちゃんが「ツァバ?」「ツァバ?」(中国語で「タクシーはどないや?」)と連呼して迫ってくるが、
「ブーヤオ」(同「要らねぇ」)と断ると、しつこくは無い。

地球の歩き方の少し間違った地図に翻弄され、3分程度、地球の迷い方を実践した後、中南客運のチケット売り場(兼、始発駅)にたどり着く。
旧高雄駅の正面で、左の写真の下部中央の赤い看板の所。チケットは311元。
恒春行きバスの発車時間を聞いたら、「14時10分」との事だが、時計を見ると14時5分。
その瞬間にバスが入ってきたので、昼食はおろか、飲み物も買えなかった。

5.恒春投宿
バスはすぐに発車し、すぐに旧高雄駅東側のターミナルに立ち寄った。
ここでサーフボードを抱えた若い日本人男性が乗車。
単独で台湾最南端にサーフボードをしにくる気概は頼もしいが、台湾語も英語もあまり解さず、運転中の運転手に1000元札を突きつけている。
もう少し、なんとかならないものだろうか・・・。

国家公園の入り口 高速道路からはアヒル(漢字で「鴨」と書く)の飼育場が、何ヶ所か望む事ができた。日本の養鶏場の鶏よりも幸せそうに生きている。
15時半には枋寮付近で海岸沿いに出る。海岸線は綺麗だが、まだ海水浴客の姿はあまりない。
再びバスは海岸線から遠ざかり、16時18分に目当ての隆徳旅客之家を通り過ぎて、20分に恒春のバスターミナルに到着。

徒歩二分で隆徳に戻り、空室状況と値段を聞くと、900元だと言うので値切らずに決める。
部屋は綺麗で、なんとインターネットし放題のパソコンが設備されていた。
受付の兄ちゃんは、たどたどしい英語(たまに日本語)で、「今週は日本人が多い」と嬉しそう。 ま、ゴールデンウィークだからね。
シャワーを浴びてバスターミナルに戻り、街車路線図を見ると、出火奇觀まで4分となっている。

6.出火奇観
それくらいなら歩いても行けると、案内看板にしたがって、ターミナルと向かいの警察との間の道を東に向かう。
道は舗装されているが上り坂で、路肩が狭い。街を外れるとすぐに墓地が広がっている。
墓地の途中に、つないでいない水牛が草を食んでいたが、刺激をして迫ってこられても怖いので写真は撮らなかった。

約10分で出火奇觀。
ここは地下から噴出するガスが燃え続けており、地面が燃えているという異様な光景を醸し出している。
ここには、許可を得ているのか得ていないのかは不明なるも、柵の中に一人のオヤジが生息し、ポップコーンや鶏卵を売っている。
ケチらずにもっと暗くなってから自動車で行っていれば、より壮観な炎を見る事ができたかもしれない。
3日目(5月03日) 1.担仔麺
早くに起床して、ホテルの近辺を散策。
恒春は小さな街だが、趣のある公園や古い門などもあったりして、ゆったりと滞在しても楽しいかもしれない。
歴史を感じる事ができる小さな公園が、なんだかホッとする。

7時半頃にホテルに戻ってチェックアウトし、バスターミナルの近くの、テーブルが二つしかない小さな食堂で担仔麺を食らう。
筆談が簡単に通じるので、楽しいやら、手ごたえがないやら、複雑な気分でもある。 日本の感覚なら、汚くて入る気がしない小さな店でも結構おいしい。
それは昨夜の店も同じで、排骨飯を頼んだらメイヨーと言われ、やむなく、「これなら有る」と言われたものを頼んだのだが、どれもがおいしかった。

2.台湾最南端へ
さて、8時半のバスで台湾最南端の鵝鑾鼻(ヲーランビ)に向かうべく、チケットを買おうとしたら「バスの中で買え」と言われる。
ほどなく2台のバスが来たので、早くた高そうな綺麗なバスに乗る。 鵝鑾鼻までで47元。
出発してしばらく南下すると南湾に突き当たり、右手に原子力発電所の門が見えてきたので、もう少しだなぁ・・・と思っているうちに墾丁の街を通過。
小さな片田舎の良さが、リゾート地の香りにとって変わられてしまったようなアンバランスな風が流れた。

恒春を出発してから20分で、バスは大きな駐車場に到着。道はこのまま、佳楽水まで続いているようだ。
駐車場の奥には土産物屋が立ち並び、後方の丘の上には台湾最南端の灯台が聳えている。
鵝鑾鼻公園の入場料は40元(=150円くらい)

公園のゲートでチケットを買って中に入ると、穏やかな風が吹き付けてくる。
まだ午前9時であったからでもあるが、ねっとりとした熱帯の暑さは感じられず、すがすがしい。
ゴルフ場のように整備された芝生の向こうに鵝鑾鼻灯台が聳えている。 公園入り口から、順路に沿って進むと南国の風。

3.鵝鑾鼻
道はとても整備されていて、植物の名前なんぞも書かれている。
人気のない、気持ちのいい散策道を歩いていくと、だんだんと海の気配が感じられてくる。展望台が有るようだ。感覚的には、この付近は最南端ではない。
展望台への登り口のところに親吻岩。
展望台から10時の方向を望むと、南湾の向こう側に、西側の岬である猫鼻頭(マオビートゥ)が連なっている。
右の方につくんと尖っている、大尖石山が印象的。
入り口ゲートで見かけた賑やかな台湾人一家が近づいてくる気配がしたので、再び主要歩道(と、MAPに書かれている)に戻って、南南東に逃げる。

コンパスは持っていなかったし、要所要所に設置されている案内地図も、明らかに北が上ではなく、方角も明記されていないので、時計と太陽を見ながら
南がどちらかを考える。
とは言え、ここは北回帰線より100km少々南に有るので、正午が近づくと太陽は天頂に来てしまい、方向がよく判らなくなるから注意を要する。
主要歩道はほとんど海が見えないので、ちょっと物足らない。
途中から海濱桟道に入ると海岸に出ることが出来る。台湾最南端の海岸では、あちらこちらで釣りをしている。
主要歩道からの分岐には原付バイクがたくさん停まっていたが、きっと彼らが乗ってきたものだろう。
彼らは40元の入園料を払っているのだろうか? それ以前の疑問として、どこから入ってきたのだろう??
入場ゲートはバイクを認めそうにはなかったのだが・・・。

再び主要歩道に戻って灯台を目指す。
灯台は、敷地への入場は自由であったが、ライトハウスには登れない。
正面に鵝鑾鼻の石碑が立っている。
9時半頃になったので、土産物売りの屋台がちゃきちゃきと準備を始めていた。
もう一度海濱桟道に入って岩浜の波打際に出てみる。
観光客の海難事故が有るのか、いたるところに、、、入場券にも、「海邊風浪大請注意安全」と書かれている。
中国語はわからなくても、何を伝えたいかは一目瞭然。
海は青く、空もそこそこに晴れ上がっていたが、巴士海峡の彼方にフィリピンは望めなかった。

4.高雄にバック
10時に駐車場に戻ると、高雄行きっぽいバスが停まっていたが、運転手は豪快に眠っている。
公園の外の便利商店(コンビニエンスストア)で飲み物を買って戻ると運転手が起きたので、窓の下から運転席に呼びかけると、あと一分で出るという。
高雄から南下する時と言い、戻る今と言い、なんともタイミングがいい。

20分で恒春を通過し、来た時と同じ高速道路を通って2時間20分で高雄。高雄火車駅の少し南東方向が終着点。
今回の台湾では両替を多くし過ぎたので、少し高級な宿に泊まろうと思っていたのだが、昨夜も安くあがってしまったので、
今夜は高雄尊龍大飯店に泊まることをバス内で決定。
ここなら六合国際観光夜市へも徒歩二分だし、駅だって遠くはない。 大きなホテルなのですぐに発見。
フロントは美人の女性が座っていたが、日本語は通じず英語と中国語を組み合わせてチェックイン。
12時50分に部屋に入って、シャワーを浴びてから高雄駅に。

高雄駅で翌日の嘉義行きの自強号の席を確保した後、電車に乗って隣駅の左営に向かうが、思いのほか時間がかかった。10分弱で左営駅。
高尾駅は改札からホームまでが遠く、2~3分はかかる。

5.龍虎塔
左営駅から勝利路に沿って北西に徒歩8分で左営蓮池。
高雄の観光地として超有名な龍虎塔が見えてくる。 入り口のところでは台湾人ガイドが話す日本語が蔓延している。
龍の口から入って、虎の口から出ると、罪が浄化されて善人になって出てくるらしいが、
私に限って言えば、そのフィルターは故障していたようである。

各々の塔について、最上階の6階まで螺旋階段を登ったが、
どちらも誰も登ってこず、静かな時間を楽しめた。
眺めも良いのにもったいないことである。
左営蓮池の周りは実に台湾チックで、歩いていて楽しい。
老人と犬が多い。淡水湖に突き出た敷地内でのつりは禁止で罰金と書かれているが、平気で釣りをしている人が多い。

6.六合国際観光夜市
再び電車で高雄に戻り、木瓜牛乳(ムークヮニューナイ)を飲みながらホテルでシャワー。
18時半になって、外が暗くなってきたので、ワクワクしながら六合国際観光夜市へ。

ここは、六合二路が300mくらい歩行者天国になって、夜な夜な開かれる屋台夜市である。
まずは、西の端っこの自立二路との交差点近くの店で海産粥80元。
粥としては少し高いが、それでも日本円に換算して300円以下。 新鮮な具が豊富でとても美味しかった。
蜜瓜牛乳(ミークヮニューナイ)30元は、木瓜牛乳よりも美味しかったが、
その後、阿里山や台北では発見できなかった。
串刺しになった炙肉40元は、美味しいのだが軟骨を出すのが少し面倒で割高感。
色々、飲み食いして満足したので、日本語が少し話せる女の子から
胡椒餅30元を買ってホテルにリターン。
胡椒餅も暖かいうちに食べたほうが美味しい。
大正解の海産粥 炙(火偏に考)肉は、いったん焼いて手前に置かれているものの中から選ぶと、もう一度タレをつけて炙りなおしてくれる。
胡椒餅は、ナンを焼く様な窯で焼いている。 2個で60元
自分で歩いた限りでは、治安上の不安は感じなかったが、暗い路地には入り込まないほうが良いかも。出口で待ち構えるタクシーは安全かな?
4日目(5月04日) 1.高雄の朝
今日は梅雨らしく朝から雨。�テレビの天気予報でも蜂面(梅雨前線)が下がってきているようなことを言っていた様な気がする。
中国語なのでよく判らない・・・。

シャワーを浴びてから一階のカフェテラスで早餐。
自助餐(セルフサービス)形式で供されている料理の内容は、悪くはないが種類は多くない。
紫蘇ジュースがちょっと甘過ぎるか・・・、粥はシンプルだがとても美味しい。9時半にチェックアウトし、傘をさして徒歩10分で三鳳宮。結構大きな建物だ。

そこからすぐに、三鳳中街観光商圏。
アーケードが上を覆っているので、今日のように雨が降っていても傘が要らないのが楽ちんである。
やたらと乾物屋が多いが、怪しいキノコなどもあって楽しい。
しかし、同じような店ばかりで商売が成り立っているのか疑問でもある・・・。
最も駅側の端の方に買いやすそうなお茶屋があったが、阿里山を控えているので荷物を増やしたくないことから断念。

高雄火車駅の改札口は二階にある。
少し早く着いたので、待合所の椅子に座って乗降客を観察したが、日本人と見分けがつかないので面白くない。

2.嘉義
その割りに向こうは当方を一目で日本人と見破る。
不思議だ・・・。(いや、時折道を尋ねられて困惑したからそうでもないか・・・。)
昨日、席を確保しておいた自強号は11時の定刻きっかりに発車。
列車はほぼ満席。

11時半過ぎに台南駅を通過したあと、車内販売で弁当等を売りにきた。
正午過ぎに嘉義に着く少し前に、線路の左側に北回帰線標塔の脇の印象的な建物が聳えている。
駅についてから、阿里山鉄道の発車時刻まで少し時間があったので、駅前を探索。
二日前の記録にも書いたが、駅前には国光客運バスのターミナルもあるので、戻ってきた時の時刻次第では、バスで台北に向かうという選択肢もある。
大体15~30分毎の便数。
台北まで375元なので、自強号の600元よりもかなり安い。
かかる時間は同じくらいか・・・。

3.阿里山鉄道
車内弁当用として粽と肉マンを32元で入手。
駅構内には、魅力的な昼食が売られていなかった。 電車に乗る前に、冬瓜鮮乳40元と串刺しウィンナ20元。
発車時刻の5分くらい前に、阿里山鉄道の専用ホームに列車が入線してきた。
まずは観光客ばかり。 記念撮影をする人も多い。

阿里山鉄道は定刻の13時半キッカリに発車。 速度は遅い。
途切れ途切れにかかる車内放送の音楽にあわせて踊る変な婆さんと、
日本人男3人組が騒がしい。
二つ目の駅の竹崎を過ぎたあたりから、車窓の風景はだんだんと山っぽくなる。
少しだけ空席があるが、途中からの乗車客がいるのだろうか?
席は最初の内は右側が正解。だんだんと高度を上げていくたびに、雰囲気が代わっていく車窓の変化が楽しい。
15時4分に、下り列車とすれ違う交力坪に到着。ほどなく下りが来てすぐに出発。定刻よりも早い発車。
次に停車したのは奮起湖(各駅停車だと思っていたこの列車はけっこう、駅を通過する)で、
ここで10分以上停車。
名物の弁当売りが車内まで入り込んでくる。話の種に買っても良かったのだが、時間帯が良くない。
駅にはかつての蒸気機関車が展示されていて撮影隊の標的になっている。
台湾人も皆、日本製のデジタルカメラ。 このあたりからは左側が良い。

4.神木賓館
高級ホテルが多い神木にも停まらずに、列車は終着点の阿里山臨時駅に到着。
従来の駅は1999年の台湾中部大地震で破壊されたが、建て直しも進んでいる様なので、もうすぐ復活するであろう。
改札口で切符を見せて通過しようとしたら、国家森林遊楽区の入園券を買えとブロックされる。改札内の窓口で、150元を支払って入園券を購入。
改札口の外には、旅社の集客バスが押し寄せていた。

自分の足で歩いていって、ホテルを選ぼうと思っていたのだが、すぐに神木賓館の客引きにつかまり、朝食券付き600元であえなく商談成立。
観光地だというのに、この安さはどうしたことか・・・。

5.石頭火鍋
切符売り場に明日の運行予定が掲示されている。  明日の祝山登山列車は、午前4時30分の一本しか運転されないらしい。
宿泊した神木賓館を含む5軒程度のホテルが並んでいて、中間あたりに、土産物区に直接あがる階段がある。
雨も降らなさそうなのでぷらぷらと散策。
石頭火鍋500元の表示が気になって、ふらふらと、この店に入る。

ごはんはセルフで自由。
注文してから約10分で出てきて、テーブルに置かれたガスコンロで火にかけてから約10分で煮立つ。
美味しい。
台湾では食に困らない。 美味しい料理で満腹になった満足感に浸ってホテルに戻る。
5日目(5月05日) 1.夜明け前
この、梅雨のさなかに本当に御来光が望めるのだろうかと疑心暗鬼ではあったが、とりあえず、3時40分に起床。
部屋を4時過ぎに出発して、臨時駅に向かった。ホテルの周辺をはじめ、土産物センター付近も人気がなくて意外と静かだが、随所に屋台が店を開いていた。
屋台では、飲物・点心・外套などなどが売られている。
4時10分に駅に到着。
昨日は閉じていた窓口で、あっさりと切符を買うことが出来る。指定席は無い。

街中にひと気はなかったのに、ホームには大人数が集まっていた。
だから街に人がいなかったのか??
通勤電車を待つかのように整然と並んでいる。
手前の方は一つの入口に20人以上の列だが、奥の方なら10番目くらいに並ぶ事が出来る。
4時24分に列車入線。
なんなく座れるが、立つ人も少なくはない。

2.祝山の御来光
途中で一度、停車してから、台湾最高所を行く列車は闇の中を走り続け、5時3分前に祝山駅に到着。
阿里山鉄道は世界に名を馳せているのに、それより高所を行くこの路線は、どうして名前がとどろいていないのだろう??
少し待つと、そこそこ明るくなってきている。
聞いている人がいるのかいないのか、
ハンドスピーカーでがなっている漫談が煩い。
色眼鏡など売っているのだろうか?

5時半ちょっと前に太陽が顔を出した。
2400mの御来光にしてはまずまず綺麗だ。
正面の山は3000m級くらいなのかな?
太陽は一気に登り、ほっとした空気が周りを包む。
山を下る列車は、今日は6時発の一本だけなので、温かい苺牛乳を飲んでから、5時45分に駅に戻と列車はすでに待っていた。
阿里山で降りやすい後方の車両に乗って座ったが、発車直前にどっと乗り込んでくる。

3.早餐
阿里山駅に戻ってすぐに、神木濱館からもらった早餐券で朝食をすます。
塩たまごが思いのほか塩辛く、粥をお代わりしてしまいました・・・。

朝食を摂った後、嘉義行きの一番バスが出るまでの2時間で付近を散策。意外なほどに天気が良く、山もよく見える。
昨夏の北京でもそうだったが、自助餐に一番にありつくのは気分がいい。 崖の上に、危なかしく線路が敷かれている。
ついさきほど、あの上を通過したのだなぁ・・・。

ホテルに戻って8時かっきりにチェックアウト。
土産物センターの隣の建物で15分から嘉義行き8時30分バスのチケット販売が始まる。全席指定席。
一日一便、12時30分発の台北直行バスもある。600元。

4.集集線
ある程度の空席があるが、途中の村からも乗ってくる。
結構な山道だが道は良い
意外と早く、10時20分に嘉義駅に到着。まっすぐ台北に行くか、寄り道をしながら台北に行くか、寄り道するなら内湾線に乗るか、集集線に乗るかと、
様々なプランをバスの中で検討したが、結局、集集に行く事にし、駅で二水行きの営光号の切符を購入。
地球の歩き方掲載の時刻表から少し時刻は変わっていて10時34分発、11時29分着 87元。

二水の駅前で火鶏飯と貢丸湯 30元。
少し塩辛いが旨い。火鶏飯にはタクアンが乗っていた。 日本統治時代の遺物か、台湾独自のタクアンなのか??

食後に時間が余ったので、少し歩いて木瓜牛乳。
どれくらいのメニューがあるのかと、一覧表をもらったら100通り以上!? しかし、六合夜市で気に入った蜜瓜牛乳は扱っていない。
列車の時刻になったので、二水駅に戻って集集線に乗車。

片道30元/往復54元
台湾国鉄は距離を問わず、往復券(来回票)なら一割引になる。
列車は意外と速く、標高も登らない。
12時35分に集集駅到着。
集集駅前は清里チックな雰囲気。

5.台北に帰還
二水駅発13時47分の営光号で台北に向かう。 この列車は海線を走るので、往路の山線と違う路線を走れて嬉しいが時間もかかる。
この移動で、今回の旅は概ね終わることになってしまうのだなぁ・・・、やっぱり早かったなぁ・・・と、少し感慨深くなる。

車内は結構混んでいて、無座(座席指定なし切符で乗車)の学生がやたらと多い。
私の席にも学生が座っていたが、指定切符を持っている乗客が乗ってくると、さっと席を空けている。
馬鹿が多い日本だと、きっとトラブルが発生するだろうネェ、このシステム。
無座でも指定席でも、列車の格が同じなら切符の値段は同じ。

彼らは全員、本当に営光号の切符を持っているのかな? 営光号の切符の値段は電車の切符の値段の6割増しくらい。
途中から遅れが大きくなってきたこの列車は、台北駅に約20分遅れで到着
MRTで西門へ移動し、四日前に泊まった安宿に向かう。 「部屋は空いている?」と聞くと、あっさりと「あるよ。」。
綺麗ではない部屋だが、台北で880元は安い。
軽くシャワーを浴びてから西門駅に戻り、台北駅で乗り換えて、19時15分に士林の夜市で夕食。
6日目(5月06日) 1.龍山寺
最終日の本日は、昨日までの早起き習慣が尾を引いて、7時過ぎに外出。
まずは龍山寺へ。
さすがに土曜日の朝、7時半のMRTは空いている。

7時45分に寺に着いたら朝の法要をやっていた。
土産物屋も空いていないし、観光客が嬉しそうに
写真をパチパチと撮る雰囲気でもない。
寺の敷地内には人口の滝があって、池には鯉。
8時に今度は、中正記念堂へ向かう。 こちらもまだクローズ。観光客は台湾人が多い。
彼方にぼやけているのは、世界最高ビルのTAIPEI101か。
徒歩で台大病院前から二二八公園と総督府を通過。

2.台北脱出
朝食を食べようと台北駅前に向かったが、御飯物はどこも11時からの様子。
しかたがないので、パン屋で中華っぽいパンを買って食べたが、これがナカナカ美味しい。台北駅で喧騒を眺めながら立ち食い。
中正国際機場行きのバス乗り場が変わっていないことを確認してからホテルに戻ってシャワーを浴び、11時にチェックアウト。
13時15分のバスに乗って14時に空港の第二ターミナルに到着。 日本人が大量発生していた。

3.日本
台北→成田は偏西風の影響で2時間30分しかかからないので、映画もない。
水平飛行になったら慌しく機内食が供され、窓の外のブロッケン現象を眺めながら帰国。

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