台北2005

1日目(4月28日) 1.とりあえず投宿だけの深夜到着便
今回は夕方遅くのフライトなので自宅を昼過ぎに出発し、成田空港発の深夜便で台北に飛ぶ。
台北空港から國光バスで(夜なら)およそ50分で台北駅。
タクシーだと1200元だそうだが、バスだと120元ということなので迷わずバスを選択。 1元=3.5円くらいなので、この差は大きい!
何時に、どちらのターミナルに着いても、バスは有るハズ。 台北駅に着いたら、目の前にタクシーが並んでいる。
2日目(4月29日) 1.國立故宮博物院はリニューアル
ちょっとした経緯で、2005年のGW間際に成田-台北の格安チケットをゲットした。
そこで、「いつかは行こう」ともくろんでいた故宮博物院へと飛んだのは良いが、
故宮は2006年4月頃までをめどに全面改装中。
前方の美しい庭園も工事中で、開放面積は通常の1/3程度?

しかし物は考え様。 より厳選されたお宝が凝縮されて展示されているハズで、
普通なら二日は欲しい故宮探訪を、半日で堪能する事ができたわけである。

2.淡水はお祭り中
淡水は台北の城ヶ島といった趣がある。 台北からMRT淡水線一本で約40分くらい。 適度に賑やかで適度に田舎なのがいい。
通りには地元の漁港に上がったと思われる海産物が溢れている。
突然、爆竹が鳴り響いた。 振り向くと、正体不明の不気味な行軍。
ガイドブックには、この様な祭りのことは載っていなかった。
道行く人は足を止め、働く人は手を止め、買い食いしていた私は口を止めて、
この集団を見送った。
淡水は台北のお台場でもある。 駅舎もおしゃれで、ウォーターフロントは家族連れやカップルで溢れている。
余談だが、台湾の観光地のカップルは女の子が皆、異様に可愛い。
街中で見かける女の子達は可愛い子も居ればそれなりの子も居るのだが・・・。
台湾の男は特別に可愛い女の子しかデートに誘わないのだろうか? 台湾の男は面食いの見栄っ張りなのかもしれない。
夕方のボート乗り場は人が溢れていた。

3.TAIPEI101は偉大なり
未だに、世界で一番高いビルはエンパイヤステートだと思っている人は四方や居まいが、
世界のトップはアジアが競っている。

2005年現在は、このTAIPEI101がトップである。
地上高508mで、クアラルンプールのペトロナス・ツインタワー(452m)を抜いて、
世界最高層のビルとなったそうだ。
ペトロナス・タワー ってたしか、映画エントラップメントの舞台になったビル?
3日目(4月30日) 1.台湾鉄道で基隆へ
学生時代に三度、西表島に足を運んだ。
その時は那覇港から宮古島を経由して石垣島まで渡ったのだが、その時にいつも乗った有村産業のフェリーの終着地が基隆だった。
一度は基隆まで船に乗り続けていたい・・・と、思っていたものだったが、少しばかりの時間を経て基隆の地を訪れる事が出来る。

台北から基隆へは、台北駅から台湾鉄道で行くのが手っ取り早い。 自動券売機で、自力で切符を買うこともなんら難しくなかった。
お金を入れたら券売機の案内に沿って、電車の種類、大人か子供か、枚数を選んだ後に、行き先のボタンを押せばよい。
普通の電車(通勤電車級だが快適/40分)なら43元、自強号(最速特急/20分強)なら66元。

本数は電車のほうが圧倒的に多いのだが、バスの旅がお望みなら、台北駅から西に徒歩45秒のところに、國光バスのターミナル東駅がある。
基隆まで、高速を使って50分くらいで45元。
ちなみに、中正機場(国際線の台北空港)に出発するバスもここからで120元。
小さなターミナル駅(バス停)なので、チケット売り場もすぐにわかるし、どのバスに乗るのかも迷わずにすみそう。
文字も読めるし、インドのバスターミナルより、よほど楽チン。

台湾鉄道の基隆駅も小さく、街もこじんまりとしていて解りやすいし、駅から少し歩けば、すぐに基隆港も見える。
ここから北端地域の金山や金爪石などにはローカルバスで行くことになるが、「地球の歩き方'05'~06」のP166の地図は間違っているので要注意!
正しい乗り場は、忠一路の南側で、「台北からのバスの終点」の道路を隔てた反対側。
いつ、バスが来るのかは、地元の人もわからない様子。

2.野柳は風の中
なんだか怪しい・・・。
誰もがそんな第一印象を持つ光景がある。 基隆からローカルバスで30分ほど行った、野柳風景区の海岸もその一つかもしれない。
要はこういうことらしい。
地下に固いのや柔らかいのやらが層を成した岩盤層が埋まっていたのが隆起して、
打ち寄せる波などで浸食され、その後に様々な要因で穴ぼこだらけのや、
妙な形をしたのやら、模様になったのやら、色んな末路をたどったとさ。
詳しく知りたい人は現地に飛ぼう。
到着した頃から雨風が強くなってきたが、とりあえず岬の先端を目指した。
途中までは家族連れやアベックが歩いているが、ほとんどの人は断念して戻ってくる。

岬の先端を目指すのなら、そこそこに健脚であるほうが良いかも知れない。
一番広い石畳を歩いていくのなら、天気が良い日なら時間をかけてゆっくりと散歩を楽しむことも可能だが、
階段を登ったり、波打ち際に出たりして、
様々な侵食風景を楽しみながら先端を目指すとなると、けっこうな運動量。
断念して戻ってくる多くの人とすれ違い、先端の休憩所には誰も居なかった。
目指すは岬の先端の休憩所。 亜熱帯の植生の中をポコポコ歩くが、休憩所のテーブルは落書きだらけ。
途中からの眺めは絶景。
侵食された岩盤や島が見下ろせ、海岸沿いには洞穴なんかもある。岬までの遊歩道は、亜熱帯植生の展示場。
ヤシ類やシダ類が豊富で、西表島の内陸部を想い出す。
まぁ、海を隔てているものの、わずか200kmの距離だから、植生は似たようなものなのだろう。
花も豊富で、植物ファンにはたまらない散歩道かも・・・。

ローカルバスで行くと、野柳バス停から風景区の入り口までは少し歩くが、ツアーなどだと入り口のまん前の大きな駐車場までつれてきてくれるのかな?
日本人と、韓国人と、台湾人の観光バスがひっきりなしに到着していた。 場内アナウンスも、その三ヶ国語でやっていた感じ。
風景区への入場料は50元・・・175円くらい。
入り口の脇に市場があったが、押し売り土産屋が一人も居なかったのが異様に感じたくらいに静かで良い。

ローカルバスのバス停から風景区に向かう途中には様々な海産物屋兼路上レストラン。
清潔かどうかは不明なるも、新鮮であることは間違い無さそう。ちょうど食事時に訪れたら、ちょっと試してみるのも良いかもしれない。

ちなみに、基隆からのバス料金は44元。(「地球の歩き方'05'~06」では39元)
台北からのバス料金は85元。(「地球の歩き方'05'~06」では80元)
最近になって値上がったのかも。
料金は降車時に払う場合もあれば、乗る際に払って降車バス停の札をもらう場合もあり。 バスの程度は日本の地方と同じくらいか。
4日目(5月01日) 1.龍山寺で神妙になる
MRTの龍山寺駅からすぐなので、とりあえずは一見しておく価値がある。 入場無料。
拝観記念の土産物売りの女の子は可愛らしく愛想もよかった。
まったく同じものが、空港の免税店で売られていたが、こちらで買うほうが安い。
(故宮博物院の土産は、現地でも空港でも同価格)

2.孔子廟で論じる
MRT淡水線の員山駅から西に向かって徒歩5分くらいに台北の孔子廟がある。

言必信行必果 硜硜然小人也
孔子の教えの中でも好きな言葉の一つである。
※弟子の子路に、人物の大小を語る中で言ったとされているが、中国人の奥行きと言うか、したたかさが練り込まれている言葉である。

前六文字は、「言ったことは必ず守り、 行為には必ず成果を出す。」という意味の、修身教育っぽい言葉。
 『おっしゃる通りだなぁ・・・』と、感銘を受けていては未熟。
孔子は後六文字を続けている。
「そんなコチコチのことを言う様では、 たいした士ではないよのう・・・。」と・・・。

日本人はこれから、この言葉を持つ中華文明と経済競争をしていくのである。
学校秀才だけでは、 ・・・きっと勝負にならないだろうなぁ・・・。 中華六千年の歴史を侮ってはならない。

3.中正記念堂の大きさに仰天
MRT淡水線から小南門線が枝分かれする中正記念堂駅の5番出口を出て、右に徒歩1分。

とりあえず、蒋介石も偉かった。
なんといっても、「しょうかいせき」と打てば、漢字がちゃんと変換される。
中世ならいざ知らず、近代にこの広大な記念堂を建てさせる力がある人物はそうはいまい。
台北に故宮博物院があるのも、それが北京の展示物を内容において凌駕するのも、氏の輝かしい業績の一つかもしれない。
敬愛なる我が友人は言った。 「台北の後で北京に行ったとき、お宝はみんな台湾へ運ばれてしまったのだなぁと感じたものです。」
歴史に残る仕事とは、こういうものかもしれない。メインランダーにとっては、納得が出来ないものがあるかもしれないが・・・。

ここで気に入ったものとして、台湾の衛星写真が台の上に印刷してあって、その上に人が立てる地図があった。
全長が10mちょっとくらいあったと思うので、1/40,000程度だろうか??
かなり詳細な地形まで読み取れた。
台湾の衛星写真などを見ると、ミジンコみたいで可愛いと思ってしまうのは、私だけ??

4.あたふたと帰国
今回は、「台北だけなら三泊で十分」と高をくくって飛んだら時間が足りず。
やはり旅は常に全身全霊全力投球で挑まねばならない。

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