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　今年は平日からの開催となり、さすがに初日はこぢんまりとした印象でしたが、二日目には、朝一番で駆けつけて下さった方もいらして、ピークには１１０名近くに倍増。特に今回、新入団員４０名の内３０名もの方が参加して頂けたことは、大きな収穫でした。おかげで（？）ゆとりをもって作ったつもりだった“詩編”の楽譜が足りなくなるハプニングも。一部の方にはご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。延べ人数で言えば、１２０名もの方が参加して下さったことになります。

　一日目は夜の全体練習のあと、団員によるミニコンサートが行われました。(S)瀬畑さん、(B)鈴木さんの独唱、(A)斎藤さんのピアノ独奏に続き、(S)大沢さんがオルガンでバッハのコラールを演奏して下さり、大チャペルは聖金曜日にふさわしい荘厳な雰囲気に包まれました。そのあとは、くじでグループ分けしたにわか仕立ての小編成コーラスを楽しみました。

　二日目になると先生方もフル稼働で指導して下さり、松村先生によるパート練習、斎藤先生にるパートヴォイトレ、服部先生による「詩編」の音取り練習が同時進行で行われました。パート単位での練習は、普段の練習では手の届かないところまでもきめ細かく指導していただける、合宿ならではのものです。とにかく歌いっぱなしのハードスケジュールではありましたが、充実した練習時間はあっという間に過ぎてしまい、練習が終わる度に何か食べていたような…。心もおなかも満腹状態の三日間でした。

　この合宿のもう一つの目的といえば、新人の歓迎と団員の親睦を図ること。今回は本当に多くの新入団の方が参加して下さり、例年とはちょっとばかり活気が違っていました。二日目の夕食前には、先生方からも思わぬプレゼントがありました。先生方５人によるアカペラのコーラス。いつになく緊張された様子の先生方でしたが、チームワークはさすがに抜群。とってもきれいでした。夜には、改めて新人歓迎会が行なわれ、(T)瀬畑さんの進行で、新入団の方が、次々と自己紹介されました。皆さん、実に魅力的で熱心な方ばかり。４０名という数もさることながら、頼もしい人材に恵まれたことをつくづくと感じました。歓迎会は終始、皆さんの穏やかで温かな笑い声に包まれ、しばし時を忘れて過ごしました。

　天城山荘には、至る所に毎年の合宿の思い出が刻まれています。今年もまたとっておきの思い出を刻めたことを、先生方を始め、この合宿を支えて下さった合宿委員の皆さんに心から感謝したいと思います。

　Ｂａｓｓの新人Ｙさんが「皆さんここをクレシェンドしてらっしゃるんですが・・・」と尋ねると、重鎮のＮ氏がどれどれと楽譜をのぞきこむ。Ｓｏｐの新人Ｔ嬢は斎藤先生のヴォイトレにはまって、笑い声ひとつにも「まぁ、ちゃんとあたってる！」、ウグイスの鳴くのを聞いても「今のはちょっと準備が足りないわ」と感激の連発。こちらでは合宿委員を引き受けてくださったＡｌｔのＫさんが「お名前を覚えられるから新人には　おすすめよ」と余裕の笑顔。と思うと、先生の意を汲んだＴｅｎの面々が泣かせるメロディーを歌い始める・・・。

　今年の合宿は、そこここで新入団員の方々の意欲的な姿が目にとまり。そのエネルギーにとても刺激されました。懇親会でのコメントもそれぞれに個性的で味があり、「何も知らずに入りましたが、当たりでした。」などと言っていただくと、それは先生方の指導のすばらしさとわかってはいても、何かこうむずむずとうれしくなってしまいます。

　出会いというのは有り難いものだといつも思うのですが、ドヴォルザークのこの名曲を歌うためにこうしてめぐり会えたことは、ある意味奇跡のように素敵なことだと思います。体は疲れて声はへろへろでも、（なにせ６週間分の練習を圧縮してこなしたのですから）だんだん濃く深くなっていく練習の内容に、気持ちは熱くなっていきます。いい方向に動き始めた湘フィルの歯車を、１５０人みんなでどんどん押し上げていきたいですね。毎回のことですが、バスの手配からミニコンサート・懇親会の企画、会計や受付　等いろいろとお世話下さった役員の皆さん、ありがとうございました。温かい雰囲気のなかで、とても楽しく過ごすことができました。

　ただひとつ刺がささっているのは「こんなおいしいところ、よくそんなにつまらなく歌えるね・・。」と言われてしまったこと。くやしいじゃありませんか！（あたっているだけに）でもこのメロディーはＡｌｔのもの、今にきっと鳥肌がたつように歌ってみせる！！と心のなかで叫んでいます。うぐいすだって失敗して反省して練習してうまくなっていくようです。がんばらなくっちゃ。