湘フィル通信2000年 9月号Vol. 13 No.4 (Total 164 外 12)
発行日:2000. 9. 24 編集: 寺部
“アッと言う間に・・・クリコン!!” S.柏木 ちづ子 合宿にもせっせと抱えていった沢山の曲。どれもこれもステキな曲ばかり・・・。 ハテ、サテこれをどう自分のものにしてゆくか・・・。当然のことながら(!?) 練習あるのみ・・ですネ。一緒に頑張る仲間が沢山います。新しく入られた方も 決して臆することなく、遠慮することなく楽しく歌ってゆきましょう! 今回で第10回となるこのクリスマスコンサートは湘フィルが茅ヶ崎カトリック教 会をお借りしてのチャリティーコンサートです。年に一度、クリスマスの時期に、 いつもは忙しく動かしている足をそっと止め、静かに恵まれない方々へ心を寄せる。 今こうして歌っていられることへの感謝の気持ちを精一杯添えて立てる、とても清 々しい舞台です。(かなり個人的な感傷かな・・・?) 今年のチャリティー先は未だ未定となっていますが、皆さんの温かいこころが少し でも多くの方に届きますように、と願ってやみません。 松村先生をはじめ、ご指導の先生方、そして陰でしっかり演奏会を支えて下さる教 会の方々。全ての方々と共に喜びあえる演奏会を今年も迎えられることに、心より 感謝しつつ、残りの練習回数を大切にしたいと思います。“アッと言う間に・・・ クリコン!!”なのです。 |
心に残るクリスマスコンサートを ♪ クリコン・プロジェクト担当 A.青山 道代 合宿からクリスマスコンサートの練習が始まりました。メンデルスゾーンの“詩 編42”、ラターの“The Lord bress you”、そして“ラシーヌの雅歌”の3曲。前奏 のピアノの清楚な和音を聞いたときから胸の中が熱くなり、はじめの1フレーズを 歌っただけで体中にしみわたってくるような本当に美しい旋律。こんな素敵な曲を 歌える時にめぐり会えて、しみじみ幸せだなと感じました。 この感動が、私たちの演奏を通して聞いて下さる方々にも伝わり、分かち合えたな ら、10年間クリスマスコンサートと言う場をつないでこれたことへの最高の感謝 になるのではないでしょうか。 クリスマスコンサートという企画を始めるにあたっては、松村先生自らが茅ヶ崎教 会に出向き神父様の理解を頂いてスタートしたいきさつがあります。‘宗教音楽の 生まれた教会と言う場で歌い感じることの意義、小さな曲をアンサンブルすること で、力をつけていこう’そんな熱い思いがあふれていたのです。 当時のことを柏木さんは、「僕は湘フィルのためにはならないことはしない」と 先生がおっしゃってくださったことが忘れられない、と話していました。 合宿の懇親会で先生は、湘フィルに望むこととしてお話下さいました。 「毎回の演奏の成功はあたりまえのこと。5年、10年先の湘フィルの未来のこと を、夢の実現に向けてひとりひとりのレベルで皆が真剣に考えて欲しい。アマチュ アだからというのはまちがいで、名曲は能力の高い人達のために残されているので はない。もがいて歌って創りあげていく、どれだけ真摯にとりくめるかが大切。 そうすればベートーヴェンも喜んでくれる。」 織田先生は、曲への新鮮な気持ちを持ち続けて後戻りすることのないようにと、 また斎藤先生は自分に限界をひかないでチャレンジし、死ぬまでにもっとうまくな りましょうとはげましてくださいました。 こんな恵まれた合唱団は他にないかもしれません。ヴェルディはもちろんですが、 クリスマスコンサートの選び抜かれた名曲を、誰の心にもきらりと光るように歌い たいと思います。毎回の練習がどんどん濃くなっていけるように集中してできるだ けのことをしていきましょう。 |
<投稿> ヴェルディ!? 〜 そのいくつかのオペラを通して 〜 B.鈴木 愼吾 この文章を書き始めて他の本にも目を向けるようになると固有名詞の表記や事柄 の記述がいろいろと異なっているのに気が付きます。取り敢えず前回の中のマルガ リータはマルゲリータにメレリはメレッリにまた生地レロンコーレはレ・ロンコー レに訂正させて頂きます。それからヴェルディがミラノ音楽院に入学を許可されな かった理由も年令制限説の他に、‘ピアノが下手だった’‘ソルフェージュが駄目 だった’‘提出した自作を院の大御所たちが全く評価しなかった’等、実に様々で す。ヴェルディはその晩年音楽院がジゼッペベルディ音楽院と改称しようとした 時、頑として応じなかったという話が残っています。 前回の終わりに書いたように二人の女性の肖像画を見ました。マルゲリータは早 世した印象が残るせいか目の大きな神経質で病弱な様子。ジュゼッピーナは細面で 美しく描かれていましたが他の本の写真では意志の強さも感じさせます。彼女は恋 多き女性だったようで、失意のヴェルディを励ましたメレッリとも微妙な間柄であ り、少し後にはあるテノール歌手との恋愛も取り沙汰されましたが、実際にはいつ も孤独だった様子がうかがえます。 さて、妻子を失なったヴェルディを励まし作曲するようにメレッリが持って来た 台本が聖書をもとにした『ナブッコ』でした。初め気のりがしなかったヴェルディ もある詩の一節に引き付けられ作曲を始めたのでした。その詩が“行けわが思いよ 金色の翼にのって”です。作曲中ソプラノ、アビガイッレの役にはいつもジュゼッ ピーナの声が頭にあったようです。意識しないうちにも作曲者の胸の内に彼女は大 きな存在になっていたのかも知れません。そして『ナブッコ』の初演は大成功とな りヴェルディの名は一気にヨーロッパ中に知れ渡ることになりました。当時ミラノ はオーストリアの支配下であったため中でもヘブライの人々の合唱“行けわが思い よ・・・”は自由を望む人々に熱狂的に迎えられ後にはイタリアの第二の国歌と呼 ばれるようになったのです。 以前「題名のない音楽会」を長年司会していた作曲家某氏はこの曲がお好きだっ たようで、その番組の中で数回この曲を紹介していました。思想的には共鳴しがた かった…氏がどのような思いでこの曲を好んだのかは分かりませんが、私がこの曲 を知ったのもこの番組からでした。 それにしてもこれは名曲です。第三幕の幕が上がって、暗いユーフラテス河畔、 囚われたユダヤの人々が故国を思い、心に沁みる旋律をユニゾンで低く歌いはじめ る。‘翔びゆけわが思いよ金色の翼にのって、故郷の丘に憩えよ、そよ風薫る丘に。 ヨルダンの清き流れ、倒れたシオンの塔よ。破れたわが故郷、悲しみ尽きぬ涙 …’ その後6声に分かれた合唱が| で歌うその響きを聞くと、私はいつも胸が一杯に なる。まだ聴いたことの無い人ぜひ聴いて下さい。この歌を自分達の歌と言える イタリアの人々が羨ましい。(訳詩はなかにし礼氏によります) ヴェルディの前期の作品にはこのように愛国的な色彩が濃く、ヴェルディが敬愛 していたロッシーニは、冗談に彼のことを鉄兜を被った音楽家、と言った事もあっ たそうです。 1851年16作目になる『リゴレット』がヴェネツィアで初演されました。ユ ーゴーの戯曲『逸楽の王』をもとにしたこの作品は原作が王権を誹謗するという理 由で上演禁止になっており、同じ理由でこのオペラも厳しい検閲を受け、ヴェルデ ィは強く抵抗して場所と名前を変えることで上演に漕ぎつけたのでした。劇中には 御存知“女心の唄”や“慕わしき御名”“悪魔め鬼め”の名アリア揃いの中で白眉 は、リゴレットとその娘ジルダ、公爵とその昔の愛人マッダレーナの四重唱。その 四人四様の思いを見事に描き分けた手法はまさに天才の技と言えるでしょう。原作 者ユーゴーはこの作品を認めず意に反してそれを見ることになった後、その感激を 率直に語っています。‘もし私が戯曲の中で、四人の登場人物たちに同時に語らせ ることができたならばと思う。それも観客が言葉も感情も理解できるような形で。 それが出来れば、私のドラマもこのオペラと同じほどの効果を獲得することができ るだろう。’ 『リゴレット』の大成功を見届けた後、その頃既に生活を共にしていたジュゼッ ピーナを伴ってブッセートに近いサンタ・アガタの別荘にしばらく滞在します。し かしブッセートの人々のジュゼッピーナに対する無理解と義父であり恩人でもある バレッツィとの不仲はその後もヴェルディを悩ませることになるのでした。 1853年は『トロヴトーレ』と『椿姫』が相次いで初演されました。『トロヴ トーレ』は、筋書きの粗雑さを云々されながらもその優れた音楽故に今日でもしば しば取り上げられる演目となっています。 戦後の日本の音楽界に衝撃を与えたイタリアオペラの公演の中で、主役のジプシ ーの老婆アズチェーナのアリア“炎は燃えて”をうたったジュリエッタ・シミオナ ートの鬼気迫る名唱はとても印象深いものでした。先頃、放映されたNHK・TV 「20世紀の名演奏」で彼女はマスカーニの“ママも知るとおり”で紹介されてい ました。それも又、素晴らしい歌、貴重な記録ですが、あの時の、あの歌いぶりを もう一度見る機会が欲しいものです。 『椿姫』は伝説的な初演の時の不評がとても信じられない程の名作中の名作。ヴ ェルディと聞いたら、まず「椿姫!」と思い浮かべる人も多いと思います。彼は幸 薄いヴィオレッタに、愛するジュゼッピーナを重ねて見ていたかも知れません。ヴ ェルディは『リゴレット』のように、その作品の中心人物にバリトンを配する事が 多いのですが、ここでも、ジェルモンのアリア“プロヴァンスの海と陸”が父親の 愛情を切々とうたい胸を打ちます。 と、まぁここまでは、昔の記憶や本の受け売りで、なんとかつないで来ましたが、 これから先、後期の傑作群をどうしよう・・・と途方に暮れた所で紙数が尽きまし た。では、又、来月。 (つづく) |
菊池 美子さん(S) @ 以前ヴェルレクを歌った時の感動が 忘れられず、もう一度、ステージに立 ってみたいと思い仲間に入れていただ きました。 A 大変な御活躍の湘フィルの皆さんと、 御指導してくださる先生方に、 ついていけますよう頑張ります。 よろしくお願いします。 | 内田 りえさん(A) @ 松村先生の丁寧なご指導とその音楽 に魅せられて。これが最近よく耳に する「松村先生の音楽にハマった」 と言う事でしょうか。 A 「パウロ」から「ミサソレ」までは 客席でした。力強い響きの中に入れ て頂いて「ヴェルレク」が楽しみで す。どうぞよろしくお願い致します。 斎藤先生のヴォイトレで、どこかが 目覚める様な予感に嬉しくなってい ます。 |
柴 なほ さん(S) @ オーケストラ付きの曲を歌いたいと 思っていたので。 A 大勢の方が一つのことにとりくんで いる姿が素晴らしいと思いました。 | |
塩坂 鷹芳さん(T) @ 5年ほど前に、〈ヴェルレク〉を 一度歌ったことがあるのですが、 歌い込み不足で、欲求不満が残った ので、もう一度歌ってみようと思っ たのです。 A テノールパートの人数がもう少し多 いといいですね。 | |
山口 伴子さん(S) @ 指導者、混声、宗教曲、オケ付、 これで決まりでしょう。この先短い 人生、何曲唱えるでしょうか。 A 皆様の足手まといにならない様に がんばります。どうぞよろしく。 どなたかお友達になって下さい。 一緒に練習しましょう。(教えて!) | |
菊池 義彦さん(B) @ ヴェルディのレクイエムを歌いませ んかと日下部さんに誘われたので。 A 難しい曲ですが、なんとかついて行 きたいです。 | |
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音取り自主練のお知らせ | ||
パートリーダーによる音取り練習を予定しています。 自信を持って練習に臨めるよう、積極的にこの場を活用しましょう。 女声パート・・・ 明治公民館 での練習日の 17:00 〜 18:00 男声パート・・・ 明治公民館 玉縄公民館 での練習日の 21:00 〜 21:30 実施スケジュールはパートリーダーからご連絡します。 聞き漏らしのないようにご注意を!! |