その一歩一歩を
確かめながら
ゆっくりと
砂の大地を踏みしめる
まるで
はじめて歩くように

僕は砂漠に行きたい

天蓋を仰ぎ
生理的な涙と
感情的な涙を流す
そして
陽炎の彼方を
向く

僕は地平線を見たい

砂の河に遭った
岸辺で嗚咽を漏らす
頭骨
水の一滴が
生命を育むのなら
砂の一粒が
生命を奪うのだ

僕は砂に触れたい

砂丘をつくる

水を奪う

時を刻む


僕は風になりたい
一陣の風になって
砂漠を旅したい



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   砂と風 ■■■ノラスケ■■■