[01]即興詩 「顔」
「自分」を鏡で視てみる
笑っている顔 にやけている顔
怒っている顔 あきれている顔
泣いている顔 不安な感じの顔
一体「自分」の顔はどれ?
全部「自分」の顔なんだ
この顔は「自分」にしか造れない
[02]即興詩 「寂しさ」
タバコに寂しさを託し
吸う
煙と
共
に
消えた寂しさは
また 戻る
[03]即興詩 「心」
私がとても尊敬できる人
が
亡くなった
涙が出なくて出なくて
泣けない悲しさ
私の 心
壊れてしまったのだろうか
アノ人と共に・・
[04]即興詩 「進む」
今は亡き父の道を
進 む
使命感というかいう
大層なもんじゃないが
同じ道を進む以上
父を 超えたい
そう 思う
[05]即興詩 「駆け引き」
あなたは僕が
近づく度に離れていき
離れる度に近づいてくる
駆け引きは得意じゃないけど
あなたの駆け引きに
付き合おう
磁石のSとNのように
引っ付くまで
[06]即興詩 「七」
七月七日 七夕
七が三つ並ぶこの日に
七人の人に会い
そのうちの妊娠七ヶ月の妊婦が
七回目の営みでできたと喜ぶ
たぶん いややはり
七は縁起がいいのだろう
[07]即興詩 「−会いたい−」
一人の少女にくちづけをして
去っていく 俺
多分その時は
なんとも思わなかったんだろう
−会いたい−
君の涙が僕にそう思わせる
やられたよ
君に恋をしてしまった
[08]即興詩 「空間」
俺の隣に君がいる
慣れた空間
が
俺の隣に君がいない
寂しい空間に
なった
君はもう
いない
[09]即興詩 「嘘で固めて」
嘘で固めて 嘘で固めて 嘘で固めて
嘘で固めて 嘘で固めて 嘘で固めて
君に素直になれなくて
本当は
好きなのに 好きなのに 好きなのに
好きなのに 好きなのに 好きなのに
嘘で固めて嫌いと言った
君は泣いていた
[10]即興詩 「ビジョン」
これで最後
と
くちづけを交わして
僕らは別れた
これでいいんだ と
未来のビジョンは違っても
お互いに前進していくだろう
そう 何度も 小声で 繰り返した