[01]夏料理 打ち寄するものみな死せり海灼くる 君の目を我より奪ふ遠花火 草いきれ何もかも恥づかしきとき 雲の影渡りてゆけど砂灼くる はさまれしメモの謎めく書を曝す 切るものと刺すもので食ふ夏料理 [113]夏料理2 拉致せよと素足を垂らす窓辺かな 夏芝居仮面の裏に血のしずく 揚花火あおぐ喉もと傷あかし あるじには首に傷なき夏館 涙して脅えしものを夏料理
俳句十句 季題「夏料理」