[01]Gojyuuon 「Aishiteru」
眺めていたい
触ってみたい
握りしめたい
噛みつきたい
いつの日か胃袋で
消化してみたい
[02]Gojyuuon 「Iikagen」
プリンだからといって
頭にカラメルをのせる義務はない
ゼリーだからといって
涼しげに震える必要はない
固まりきる前にとろりんと
流れ出してみるのもいい加減
[03]Gojyuuon 「Usotsuki」
真っ赤な嘘の糸で
薄っぺらい自分に
薄っぺらい名札を
ちくちく縫いつけていく
もう少しの辛抱だよ
じきに痛くなくなるから
[04]Gojyuuon 「Egao」
朝御飯がとても美味しかった
プランタの胡瓜が花をつけた
天気予報がはずれて快晴だった
家出した猫が帰ってきた
君が綺麗に顔を歪めただけで
世界はまっさらになった
[05]Gojyuuon 「Okagesama」
何故この世に生まれてきたのか
何故この世で生きているのか
そんな七面倒なこと
こねくり回している暇はない
たったひとつ頭の真ん中に
浮ぶ呪文は「おかげさま」
[06]Gojyuuon 「Kakkoii」
格好なんかどうでもいい
学校なんかどうでもいい
括弧なんかどうでもいい
過去なんかどうでもいい
本当に格好いい言葉を探しあぐねて
僕はどんどん格好わるくなっていく
[07]Gojyuuon 「Kireigoto」
花と月と夢と空と
虹と雲と恋と星で
お手軽なお菓子の家を
作ろうってんじゃないけれど
自分の輪郭が消え入りそうな夜には
ベタベタに甘い綺麗事を書きたくなる