[01]即興詩「白の記憶」
アパートのベランダで
Tシャツがたなびいていて
ひらひらひらひろひ というところで
この記憶は終わるんだ
そして もう 其処には雨など降らず
嵐なども待ちくたびれて
ただ 今日も私の心の中では
Tシャツがたなびいているだけなのだ
[02]即興詩 「うただひかる中毒」
ファーストラブが好き
あまい恋がしてみたいの
でもオートマチックは嫌い
だってアクティブじゃないもの
ねぇ あなたの口元からは
煙草のにおいがするよ
キスして
[03]即興詩 「ストレートパーマ」
パーマ屋さんの女性は甘い香りがする
僕は決して発情期の雄豚などでは無い
断じて無い
だけれどストレートになってゆく
髪の毛とはうらはらに
僕の心はちじれてゆくんだ
みだらにさ
[04]即興詩 「詩罪ヒステリア」
面白い詩なんて嫌い
おなかが裂けちまう
悲しい詩なんてなお更嫌い
涙が溢れちまう
むしろ
あらゆる詩が嫌い
だから
俺っち詩人なんだぜ
[05]即興詩 「サザエさんの言い訳」
私がお魚くわえて走った猫を
必死になって追いかけたのは
そのお魚を奪いたかったのではなく
魚を奪われた魚屋さんの為でもなく
ましてテレビアニメだからでも無い
猫が心底 好きだったからよ
文句あんの!?
[06]即興詩 「白菊について」
その花は
むかし好きだった彼女だ
清潔感があり
おくゆかしく
とても きれいなのに
思い出すたびに悲しくなる
その花は
むかし好きだった彼女だ
[07]即興詩 「拷問ブルドック」
犬の肛門に浣腸攻撃をすると
きっと噛み付かれた後に
犯されたりする事も無く
ただ虚しくなるだけなので
止めてください
あなた
[08]即興詩 「つまようじ」
つまようじは歯をつつく道具で
決して武器にはならないのです
どんなマシンガンよりも
どんな核爆弾よりも
つまようじは歯をつつく道具なので
しぶらきかんかんと強烈です
[09]即興詩 「葉月ゆきひろ」
ポエフリラブ
詩を信じる仲間って奴
すくなくても詩人は
飽き性じゃなくちゃ
駄目って事
[10]即興詩 「詩人である為に」
愛も
恋も
人生も
忘れてもいい
でもハートん中にある
テメェのロックンロールは
わすれんな!