その202 「ゲーム親子のブルース」
ゲームボーイアドバンスSPを楓さんに取られる。
ぼくの横で、バックライトなしで画面が真っ暗の旧型GBAを手に
できもしないロックマンエグゼを一生懸命やっているので
メイドインワリオくらいならちょっとできるかもしれんなあと思い
ちょっと貸してあげただけなのに、
それはもうサルのようにプレイしまくる。
ミニゲームの大部分は失敗してるにも関わらず
永遠とプレイしまくっている。
最初はさすが俺の子だ、などと見ていましたが
何日経ってもぼくのSPを返してくれない。
しまいには「これはかえでの!!」とジャイアンみたいなことを言い出す始末。
ぼくはMOTHER1・2をしたくてしたくてたまらないので
ついに本気になって取り合いをする。大ゲンカ。
まことに大人気ありませぬが、ゲームに関しちゃあたしも引けません。
大人パワーでとりあげたはいいが、MOTHERをプレイしようとすると
楓さんが大泣きしながらまとわりついて満足にプレイ出来ない。
ムキーーー!!!
さらに大げんか。
ついに相方に怒られる。
ぼく悪くないもん、貸しただけだもん。
と言ってはみたが、圧倒的にお父さんの方が分が悪く、
ふてくされながらゲームキューブにゲームボーイプレーヤーをセット。
腰が辛いからあんましテレビの前ではプレイしたくないのさ!
などと言いつつ、負け犬はテレビの前でMOTHERを始めたのでした。
楓さんは、激しく争ったSPはほったらかしで水ぬり絵してやがる。
ムキムキ〜!!
でもとるとまた泣くからなあ、くっそう。
こうなったらもう1台SP買ってやる。
こんどはシルバーにすっぞ。
資金は楓預金からこっそり頂くさ。
って嗚呼、楓預金の通帳どこだろう、俺じゃわからん。
ああ情けなや。なんか腰痛くなってきた。
こうなったら、一刻も早く楓さんが飽きることを祈るばかり。
嗚呼、なんだかなあ、トホホ…
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