その192 「ブラック・ジャックでよろしく」
鼠形ヘルニア。
生まれた時に腹膜には袋状の穴が
二つ程開いており、成長と共に塞がるのだが、
まれに塞がらない場合があります。
その穴に運悪く腸が入り込んでしまい、
出たり入ったりを繰り返してしまう、
運が悪いと血が止まって腐っちゃう場合なんかもある、そんな病気。
もちょっとわかりやすい言葉で言うと脱腸。
楓さん、そんな病気になってしまい、
治療法は手術しかないので今日手術。
楓さんは二つとも腸潜伏中らしく、二箇所とも処置。
朝早い手術だったので昨日から入院しており、ぼくが今朝言った時には
予備麻酔で夢うつつ。
そのままいっしょに手術室方面へ行く。
楓さんがお世話になる病院はこども病院。こどものエキスパート。
ここに来ている子供達は、普通の病院では手におえない子たちばかりでして
そんな中で楓さんの病気なんかはかなり軽い、
はっきりいうと盲腸よりも軽い部類なんだけれどもやはり手術は手術、
心配です。いろいろ事故とか多いですし。
とはいえ、子供専門の麻酔科医もちゃんといるので安心かな。
祖父母も父もガン、ぼくも身体が弱く盲腸やら扁桃腺やらで入院経験ありなので
GBA−SPなどを持ち込み余裕ぶっこいてますが、
ほとんど病気らしい病気をしてこなかった相方は、すこし泣いています。
大丈夫、大丈夫、と諭す。
とりあえず朝食を食べに食堂に行き、戻ってくるも予定時間の半分程。
こういう時はなかなか時間が過ぎんねえ。
もちょっとかかるだろうからと、
相方がちょっと病室を片付けるといって上がって行ってほどなくして
楓さんが出てくる。うわっ早っ。
お母さんは?と聞かれて、ちょっと苦笑い。
とにかく、楓さんと共に病室へ。
手術の済んだ楓さんは、行く前とちっとも変わらない表情で寝ていたので
とても安心する。
病室では、相方ももう終わったのかと言う表情でびっくり。
いやはや、名医の執刀でしょうか。
担当の先生は若い女性の方なんだけど、説明では執刀は外科部長。
しかし手術難度からいくと、よい経験値稼ぎになったでしょうか。
がんばって、名医になって下さい。
すやすや眠る楓さんの横で、術後の説明。
手術自体はバッチリらしいのだが、この鼠形ヘルニア、
楓さんの年齢の手術だと再発率が200分の1あるらしい。
ああ、そうですか、まあ、とりあえずうまくいったのでよかったなあ。
などと話しつつ説明終了。お礼を言う。
しかし200分の1か、パチスロの設定6よりも甘いじゃん。
(パチスロは6が最高、最低は1。6の台のためにみんな早起きするのです)
なんてこと言ってみて、怒られる。
楓さん、今回はヒキ弱でお願いします。
とくに内臓を切ったり貼ったりしたわけではないので、
術後は水分をたっぷりとって様子を見た後はふつうの食事。
なんと明後日には退院。
金曜日の入園式も、日曜日の音楽教室の発表会もOK。
バシシ、じゃなかった抜糸、とかもないみたいだね。
医学の進歩ってすごい。
麻酔から醒めた楓さんも、点滴装備の手を見てグズグズいってましたが
はずしてもらってからは、ベットから降りて歩いてみたりしてました。
このくらいの子供は痛みに鈍いらしく、傷さえ見なかったら大丈夫。
そういえば、事前の検査で、大暴れしてレクター博士状態で採血された時、
看護婦さんが新米だったらしく、かなり跡が残ったんだけど、
もう痛くないはずなのに、お風呂に入る時に青くなった跡みたら
ものすごい勢いで泣いてましたな。あれは大変だった。
あ〜、手術の傷跡見たりしたらまたああなるのか。
こりゃ家帰ってからがたいへんだなあ。
まあ、とにかく、中島家の長い2・3日終了。
相方も、今夜は楓さんの側でぐっすり寝てることでしょう。
ぼくも心置きなくレベル上げができるってもんです。
いや、よく寝つけなくてレベル上げ、病院で時間持て余してレベル上げ、
してましたけど。
ハイハイ、なんだかんだでぼくもくたくたなので、早く寝ることにします。
そういや、腰痛くなくなったなあ、神経痛だったか。
は〜っ、腰もスッキリ、今夜はよく眠れそうです。
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