その164 「冬が好き」

夜の冬の街をひとりふらふら歩く、ってのがけっこう好きなんですよ。
街はキラキラしてるし、みんななんとなく楽しそうだし。
本屋で立ち読みしたり、CD視聴しながらね、
冷たい空気の中歩くのがなんか楽しいんですよ。
そんなひとりだなんて、って思う人もいるかもしんないけど、
家族や友人や恋人といるよりも、
ひとり歩いてる方がいろいろ気付くんですよ。
なんとなく、みんなの幸せを少しずつ貰ってるような気がしてね。
わざと白い息吐いたりしながらね。
とてもいい絵が描けそうな気分になったりして。
あんましお酒飲めないぼくが、ちょっと飲んで帰ろかな、なんてね。
友人のやってるバーはとても静かで落ち着くので、
ちょっと寄ろうかな、なんてね。
そういや、あいつんとこって、寒い時にしかいかんような気がするなあ。
ちょっと暗い店内で、いろいろお酒のこと教えてもらったりなんかして。
ぼーっと、グラス眺めながら考え事したりして。
ちょっと絵描いたりして。
そしてまあ、店の外に出て、そん時の空気がまた気持ちよくってね。
冬が好きです。静かな時間が好きですな。
そしてひとりが好きなんだよな、どうしても。
とてもとても忙しかったりする時ほど、この独りの時間は大切です。
会社とか家族とか自分とかもなくなっていくような、
冬の散歩の時間は大切です。大切にしよう。