その140 「海が嫌い」

海が嫌い、ていうか海で泳ぐのが嫌い。だってベタベタするんだもん。
でもなぜかスキューバのライセンス持ってたりするゆういちろう君ですが
楓さんが、あんまし海に行こうとおっしゃるので、
お風呂で、テレビで見た海で戯れる子供達の真似をしてはしゃぐので
「こどもぉが、うみで、ぱしゃぱしゃぱしゃしてぇ、かきごおりたべてぇ…」
と、必死に訴えてくるので、ていうかお前も子供じゃないですか、楓さん。
ということで20年ぶりくらいに海に行く。

暑い、めちゃめちゃ暑い。
多い、人多い、ウジャウジャいる、 もう帰りたい。
来た早々、心の中で叫びまくりのわたくしをよそに楓さんは
眼をキランキランさせております。
はいはい、分かりました、参りましょう。
二人でトボトボ波打ち際へ。
現物を前に怖がるかと思いきや、意外とへっちゃらなご様子で
そのまま服のまま突撃していこうとするので、慌てて着替えさす。

う〜ん、かわいい。
楓さん初水着は水色ワンピース、なかなかお似合いです。
それでは改めて、いざ海へ。
楓さんほんとに嬉しいらしく波打ち際を走り回ります。
ウキャキャウキャキャいって水をかけてきます。
こちらは服のままですし、父はLOMO(カメラ)装備中なので
逃げ回ります、逃げ回ります。するとどうでしょう。
だんだん海に慣れてきた姫さまは、まるで入水自殺するかのごとく
沖に向って歩き出すではありませんか!?
慌てて浅いところに連れ戻しますが、油断するとまた沖に向う姫様。
だからあぶないんだって。おぼれてもしらんよ。
そういえばぼくが海が嫌いな理由がもひとつ。
それこそ20年前、沖のイカダ目指して妹とふたりロープに捕まりながら
向っておりますと、途中で何を思ったのか妹さん突然バタ足。
それが運悪く10才のわたくしめの股間にHIT!!
ハグッっと思わずロープを放してしまい溺れてしまって
側にいた大学生のにいちゃんに救助されるという情けない出来事が。
あれ以来「海なんか行くもんかっ!!」って思ったんだッけ。子供だなあ…
それはさておき、炎天下の中でも無尽蔵のスタミナで遊び回る楓さんとは
対照的に、速攻スタミナ切れのおとうさんは、写真を撮り終えると
相方とバトンタッチ、遠くから眺めます眺めます。
が、一向に帰る気配なし。
もう、暑い、きつい、喉乾いた、帰るっ。
と、わがまま父さんシビレをきらして、嫌がる楓さんを抱えて
海脱出、あばよっ。
ダダこねておりました姫さんも、シャワーを浴び、着替えまして一段落。
やっと帰ってくれるそうです、めでたしめでたし。
と思ったらかき氷を買えとな!?
まあしょうがない、買ってあげましょう。
氷いちごを買い、ベンチに座って楓さんにわたしますと、
ほんとにほんとにうれしそうに召し上がっております。
最近なんかリアクションがものすごくってね。
こないだもキハチカフェでケーキ食ってるときほんとうれしそうだったもんなあ。
そしてさっき、ファミレスで昼ご飯食べた時、
どうもお口に合わなかったらしく、二・三口食べて
「ごったまでしたぁ〜(ごちそうさまでしたの意)」といいましたもんね。
(当然残りはわたくしめが食すわけですが…、まずかったです)
なんかねえ、贅沢よ楓さん。
まあまあ、いいや。味のわからんやつよりかはよい。
そのうち味が気に入らんと「主人を呼べ。」とか言うようになったりして。

とにかく、無事海水浴終了。
帰りのバスの中、クタクタでうんざりなぼくを横目に
姫と相方はプールのチラシをゲットしてきて見ておりました。
ゾゾッ、御勘弁。わしゃ博物館で風神雷神が見たいよう…