絵本つってもたくさんあります
本屋さんにはあんましないけど図書館にはたくさんある
ぼくは買いたいんだけどなあ
作家さん応援するっつう意味でも…

それはさておき
たのしい絵本、かなしい絵本、きれいな絵本、しずかな絵本
ねむたい絵本、ゆるい絵本、かゆい絵本、えっ、かゆい絵本?
ほんとにいろいろありまして
そんな中からぼくがすきな絵本、100万部くらい売れてほしい絵本
おもしろがって突き詰めたくなったりした絵本なぞを
ぽつぽつといろいろと紹介していこうかなと思います

2月4日更新

32冊目 「ちへいせんのみえるところ
       長 新太・作
       ビリケン出版

やはり、ちゃんと向き合わねばならんのでしょう、この作品とは。

長さんが、1978年に発表した作品です。
ぼくが思う、絵本の究極の形がここにあります。
地平線が(水平線が?)15場面、用意されています。
ことばは「でました。」だけ。
ページをめくるたびに、「でました。」とともに
こどもとか、ぞうとか、火山とか、ビルとか、太陽とかが、出てきます。
1・7・15場面にはことばもなく、
ただ地平線(水平線のような気がするのはぼくだけ?)が描いてあります。
ていうか、同じ絵???
まあ、ともかく、乱暴な絵本です。
しかし、静かな絵本かも。
読めば読む程、恐ろしくなる絵本はこれだけです。
いやいや、とてもとても素晴らしいんだけれどもね。
多分、リングの上で出会うボブ・サップなんかはこんな感じではなかろうかと。
とにかくなにもかもが圧倒的で究極なのです。
しかも困ったことに、どんなに圧倒的でもボブ・サップだったら
やがて老いていき、死んでしまうのですがこいつは絵本。
決して死ぬことはなく、ますます圧倒的な存在になっていくでしょう。

絵とことばの究極の関係のひとつが、ここにあると思います。
もし、絵本作りに興味がある方ならば、必ず読んでほしいです。
ぐりぐらとか、バムケロとか、楽しい絵本なんてのもいいけど
こんな絵本もあるんだよ、と。
ぼくもどちらかというと、ぐりぐら方面の絵本作りをやることの方が多いけど
心の奥底で、もっとも目標と、なんとか迫りたいと思ってる中の1冊は
間違いなくこの絵本です。
 

 

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