19冊目 「ピーターラビットのおはなし
       ビアトリクス・ポター さく・え
       いしい ももこ    やく

ピーターのおはなしってけっこうすごいです。
とても愛らしい姿で描かれているいる動物達の印象が強く
とくにピーターなんかは食器などになってるほどの人気者ですから
(うちにもお皿があったような、それでケーキ食べてたような)
可愛い、という印象があります。

いたずらっこのピーターがおかあさんの言い付けを守らずに
畑に行ってひどいめに会ってしまう。
大体そんな話なんだけど、このピーターのおかあさんがなんだかすごいのです。
まず最初ピーターのおとうさん、どうもマクレガーさんに捕まって
お肉のパイにされてしまったらしい。
そして、そんな目に会うかもしれないからおまえたちも行くのはおよし
とおかあさんは言っています。ヒエ〜、おかあさん恐るべし。
そしてマクレガーさん家から命からがら帰ってきたピーターを
横目で見ながら夕飯の準備に大忙し。そうしながら
ピーターのなくした服のことを考えてたりするおかあさん。
以外と天然ボケなのかもしれませんな。
最後は具合の悪くなったピーターを寝かし付けて薬を飲ませてます。
厳しくもやさしいおかあさん。
こどもが病気の時の辛さは、最近ぼく自身が体験しとりますので
なかなかグッっとくるものがあります。

天然ボケといえば、マクレガーさんもいい味だしてます。

れーきをふりふり「どろぼうだ、どろぼうだ!」
とどなりながらおいかけてきました。

の所なんか最高です。
ヤッサンが「めがね、めがね」とか「おこるでしかし!」といってるような
そんな感じ。それともぼくがふざけて読みすぎか。
でもピーターおっかけてて途中でうんざりしたり、ピーターの服と靴を
かかしに着せたりしてなかなかのおちゃめさんであることは確かですな。

ポターの作品はけっこう冷ややかなような気がします。
石井桃子さんの訳で、とてもたのしい作品になってますが
ポターの動物や自然に対する冷静な考え方、のようなものが
文章から、そしてあの絵からすごく感じられます。
それは表情豊かで、なおかつ淡々としているような。
それこそ大自然って感じがするような…。
それはポターの描く動物がとても上手に擬人化されているにも関わらず
図鑑に負けず劣らずの動物の姿をしているからなのかもしれません。
これってすごいことですね、とても不思議だったりもしますね。