16冊目 「フレデリック
       レオ=レオニ  作
       谷川 俊太郎  訳
       好学社

学校ではつまんなかった国語の教科書を
おとなになって読んでみた。
なんと、結構、いやかなりおもしろいではないか!?
じゃあ、どうしてあの頃はおもしろくなかったんだろうか?
う〜ん。

それはさておき、今ぼくの手元にある「フレデリック」は
教科書にのってるお話、ではなくてほんとに素敵な絵本です。
フレデリックは詩人のねずみのお話。
レオニはほかにも画家や音楽家のお話の主人公に
ねずみを登場させています。紙をちぎって作ったねずみを。
これがほんとにかわいらしくてね、ぼくは大好きです。

しかし、レオ・レオニの作品はすごい、ほんとにすごい。
どの作品からも強烈な意志を感じます。
表現の素晴らしさだとか、生きることの大切さだとかを
とてもやさしく、しかしとても真剣に語りかけてくる。
だからぼくも、レオニの作品を読む時は真剣です。
ゆっくり、じっくり向かい合います。
読んだあとは、ふ〜っと一息。
さらに、ほ〜っともう一息。

ほんとにことばもありません。
前回紹介したエリック・カールにも感じるのですが
いろいろなテクニック・表現方法を使いながら
伝わってくる真剣なまなざしが多くのひとの感動を
呼んでるんじゃないかな、なんてことを
心地よい疲労感とともに思ったりします。
ぼくにとって、レオニの作品を読むってことは
ちょっとジョギングにいくようなもんかもしれません。

最後にもう一言、この素敵な作品達を、もっとすてきにして
ぼくらに伝えてくれている谷川俊太郎さんの存在は大きい。
感謝・感謝です。こころからありがとう、です。

<おまけ>
レオニの「フレデリック」や「スイミー」は教科書にも載ってます。
本屋さんのとあるコーナーにいくと、教えるポイントや
解釈の方法なんかが書いてある先生用の攻略本が売ってます(!?)。
なかなかばかばかしくっておもしろいので、興味のあるひとは是非。