第28回 「よい絵本」

そう帯文に書いてありました。なんたら協議会・選定、らしいです。
“絵本は読書の原点”です−だそうです。
たくさんの絵本の中から先生や専門科が厳選した
“よい絵本”だそうです。

はあ、そうですか、じゃあわるい絵本とかもありますかね。
絵本もたくさんありますからね。
だいたい“よい絵本”とか言われても困りますよね。
どちらかというと“面白い絵本”とか“泣ける絵本”とか
“笑える絵本”とか“おいしい絵本”とか書いてある方が
読んでみようかな、と思うと思うんですけどね、ぼくの場合。

あ、そうか!親に向けての帯文なんでしょうね。
「あらまあよい絵本ですって、こどもにいいに違いないわ!」
っていって買っちゃいますかね、お母さん方は。
でも、よい絵本だから読みなさいとか言われてもやっぱり困りますよね。
せっかく本当にいい絵本なのに、“よい絵本”って書いてあるばっかりに
嫌いになるってこともあるような…
やっぱりおもしろいとかおかしいとか書いてある方がいいと思うんですけどね。

あ、そうでした、保護者の方々のためでしたね。
“よい絵本”らしいですよ。
実際、ほんとに素晴らしい、ほんとに素敵な作品が多いんですけどね、
“よい絵本”、なんか恐ろしくないですかね、そう思いません?
別に気にならないんだったらいいんですけど
なんか恐い気がしますね、ぼくは。
たしかに絵本ってたくさん沢山ありますから、誰かに薦めてもらうってのは
いいことだと思うし、帯文もなかなか重要ですが…
でもやっぱねえ、“よい絵本”ってことばがねえ
恐いっす、ちょっとぼく考え過ぎかもしんないけど、恐いッス。
もちょっと、やさしく薦めてほしいです。
もちょっと、親身になって薦めてほしいです。