第25回 「すばらしい日々」

独りでいろいろ、それこそ起きてる間の大部分を考え事に費やしている
考え事フェチのぼくからすると、まわりの人々や街行く人々などを
観察してまして「そんなになんも考えないで大丈夫なんだろうか?」とか
「気楽でいいよねえ」とか「こいつアホちゃうか」などなど
これまたいろいろ考えてしまって無限ループ。

まあそれだけならいいんだけれど、これだけいろいろ考えてるんだから
それだけぼくは特別なんじゃなかろうかとかちょっと住む次元が
違うんじゃなかろうか、いやそうに違いない、そうに決まってる
などと多少アブナイ考えになってしまうこともありまする。

自分とまわりを比べて優劣つけたくなっちゃうわけですよ
世の中なにかと不安なもんですから。弱虫さんなので。
精神的なところでそうしてしまうことがある。
品があるとかセンスがいいとか勘がいいとか。

で、そのことにどれだけ意味があるかって考えてみると
ほとんど無意味でございます。
だいたい、その品ないなぁとかセンスわりいなぁなんて
決めつけてしまった人たちの笑顔は、ぼくなんかより
全然眩しくて、実のところただうらやましいだけなのかもしれません。
頭でっかちですから。素直じゃないんでね。

純粋に生きるには世知辛い世の中ですからぼくと同じように
悶々としている人ってのは思ったより多いようで、
そんな中でぼくが好きだなあ、素敵だなあ、と思う人は
絵本のくまさんのように、自分のできることを、できる範囲で
淡々とこなしている職人さんのような人たち、絵描きさんでも会社員でも。
有名になりたいとかいい車乗りたいとかではなくて
こうありたいという信念に向かって進んでいる人たち。
そしてほんとに幸せそうにごはんを食べる人たち。
そんなすばらしい日々を送るべくぼくも日々精進。
なにかと考え過ぎのぼく自身としてはまず
「われ思わない、ゆえに我なし」の境地、無の境地を目指したいですな。
しかし作品達はしっかり存在をアピールしてもらいたいぞな。
まあ、なんて欲張り。無の境地はるか彼方。