鱒食えど 合わせ決まれど 吾が針素 楽にプッツン ぢっと手を見る

 月火と訪中してきましたので、ご報告です。またも、三ない運動(沈めない・立ち込まない・打ち返さない・・・もはやしつこい?)を貫徹してまいりました。

 月曜6時現地着。たまにはゾ師お勧めの国道側もやってみるかな、と、ホテルランカスターの跡地に駐車し、石垣前で引っ張りタックルの準備にかかります。目の前で早くもゴボンっとボイルあり、早くもわなわなしますが奇跡的に全てのガイドにラインを通す事が出来ました。が、1時間ほどキャストすれど反応なく、周りの釣り師にも異変がない為、いつもの南岸へ転戦する事としました。

 半月山荘に一夜の部屋を頼み、半島先端へ。汗だくになって到着すると、散発ながらボイルあり。半ば意地になって蝉を浮べますが、反応は明らかにアイソと分かる、ポコンっというあたりのみ。取り合えず右手が反応し、後ろの木に容赦ないフッキングをかませますが、段々空しさを感じるようになり、風も止んでしまった為、昼寝タイムとしました。

 再開するに当たり、私、考えました。蝉にもカメムシにも反応しない。しかし、吸い込むようなボイルは、瀕死のワカサギを食っているに違いない、と。そこで、フロートフォームを仕込んだストリーマーをチョイスしました。15時過ぎ、それまでとろとろだった風が安定して吹き始めました。夕方までは流しモードに入っていたとはいえ、もう少し浮べてみよう、と気を取り直し、ボーッと6,7m先に浮かぶストリーマーを眺めていた、その時・・・ンゴボオォォ!突如、フライのまわりに鳴門の渦潮の3倍ほど(当社測定比)の渦が出現しました。あ゛−−−。(半呼吸ほど固まる→ちょうど良い“ため”ができる)ふんがぁぁ(渾身の大あわせ)ガシッグッグッ(私の怨念と全背筋力の乗ったフックポイントが鱒の顎を捕える)プツンッ・・・・・・・・あの渦の大きさからして、その正体は64cmの巨茶鱒と断言してしまいましょう。「何かありましたか?」と聞かれた半島の東側で釣りをしていた方、お騒がせいたしました。この後、気を取り直してキャストしたストリーマーに再度ゴボンッがありましたが、早合わせですっこ抜き。この頃、突如にわか雨が降り始めました。魚に天候を予知する能力があるかどうかは分かりませんが、天候の急変が鱒たちの活性を一気に上げたのは確かのようです。

 夕刻、ボイルの嵐が起これど、風が止んでしまい、何を投げても無視されたまま、真っ暗な夜道を半月山荘へ急いだのでありました。

 翌朝、4時に起床し、再度半島先端を目指します。未だ光量は少ないものの、空に雲は疎ら。6時までが勝負でしょう。キャストを始めてまもなく、一発目のゴボンッがありましたが、またもすっこ抜け。しかし、今日はこのやり方で出る!という確信があります。すっかりあたりが明るくなった5時半過ぎ。岸とはすに投じたフライが風に流され、湖岸からわずか3・4mあたり、水深にして膝上あるかないかのあたりに差し掛かったその時・・・ンゴボォォォォン!<以下完全同文につき省略>もはや言葉も出ません。昨日と違うところは、事が果てた後、50cm台半ば(これは間近に見たので確か・幻覚減率を適用せぬよう)のギンピカで尾鰭の完璧な鱒が10回近くジャンプした事位です。そのジャンプからして、間違いなくレインボーでしょう。

 がっくりとうなだれるうち、日は高く上り、反応はなくなりました。10時過ぎ、ついに撤収を決意し、湯川へと向かったのでありました。湯川は相変わらず良く釣れました。やはり小田代橋から上流のエリアの方が反応が良いようです。行かれる方は、アブ、ブユの猛攻がすごいので、防虫対策は万全に。水中のバイカモ?の花を初めて見ました。流れに揺らめく純白の花は、それはそれは美しいものでした。

 と、まとめてみたものの、悔しいぃーーー!今日も、あのシーンが30回ほど頭の中でフラッシュバックしました。まだまだいけるチューです。

2001/6/25