チャイコフスキー:交響曲第4番 POCG-1391/2
レニングラード・フィル
★★★★★
言わずと知れた同曲の決定盤であると同時に、「ハルヒ」銘柄でもある。ある意味妥当な選択ではあるのだが、何ともクラオタの心をくすぐる演出である。
好き嫌いでいえば、何事につけてもこってり濃厚が好きな僕としては、フルトヴェングラー盤がファーストチョイスとなるが、ムラヴィンスキーの切れ味鋭い表現も忘れがたい。録音も遙かに良い。
うねうねとして暗い第一楽章はフルトヴェングラー式のほうが曲調が活きると思うが、フィナーレはこちらに軍配が上がる。最初から最後まで聴き手は翻弄されるばかりだが、特に出だしの完璧さは出色である。
1957年、プラハの春音楽祭でチェコフィルを振る映像を見たことがある。フィナーレのほんの1分少々だが、まだ50代半ばのムラヴィンスキーは決然とした指揮ぶりでオケを疾走させる。曖昧さは皆無である。ソ連人恐るべし、と思わせる映像だ。
(07/3/11記)