水樹奈々:STARCAMP EP
★★★
巷では録音の良し悪しがいろいろ言われているようだが、まあひどい録音である。「Dancing 〜」など、みのりんや財津さんといった角の取れた声仕様になっている耳には、4分30秒聴き通すのが辛いほどである。ただでさえエッジが立っている奈々さんの声をあんなふうにいじったらどうなるか、分からなかったのだろうか。歌自体はかなり僕の好みであるのに、非常に残念である。
「Astrogation」「COSMIC LOVE」にしても同じことで、声がキンキンして非常に聴きづらい。後者はアレンジもごちゃごちゃしていて、あまりセンスがよいとは言えない。
常々思うのだが、奈々さんはもっとじっくり歌い込むような楽曲の方が持ち味が出るのではないだろうか。市場のニーズとしては、ここに収められた1〜3曲目のようにアップテンポでノリノリの歌を求めているのだろうが、こういう楽曲での奈々さんは、はっきり言ってちょっと歌の上手いおねえちゃんである。
しかし、「SECRET AMBITION」で聴いた奈々さんは、そんな程度のものではなかった。素質があるのは間違いない。しかし、周りが素材を扱いかねているという印象が拭えない。
女性シンガーへの楽曲提供でも定評のある財津さんの楽曲などを歌わせたら、どんなに素敵な歌ができるだろうと夢想したりもする。藤崎詩織に曲を書いたぐらいだから、奈々さんに書いてもおかしくはないと思うのだが・・・。
(08/2/29記)