ニコパチ ★★★☆
過渡期の渦中にある曲ばかりなので、いろいろなコンセプトの曲がごった煮になっていて僕は好かない。曲自体もあまり好きになれないものが多いので、ほとんど聴くことはない。
「ヘミソフィア」「指輪」はそれでも真綾さんらしい曲なので、好きである。ただ、次の『少年アリス』で見られるような、上手さに偏りがちな傾向が垣間見える気がする。「ヘミソフィア」はいい例だろう。
英語の歌詞による曲は新機軸だが、僕は取らない。真綾さんの良さが死んでいるからだ。落ち着いた大人の感じ、といえば聞こえはいいが、ただ声が曇ってしまっているという印象しか受けない。
表現者に葛藤はつきものであり、それを乗り越えてこそ一段の進化を成し遂げることになる。このアルバムはその葛藤の産物だと思う。しかし、葛藤の結果良からぬ方向へ逸れてしまうおそれもある。真綾さんは果たして……?
(07/3/21)