平野綾:UNNAMED WORLD
★★★★
実はこの曲を全く知らない状態で、この曲が有線でかかっているのを聴いたのだが、すぐにそれがあーやの新曲であることが分かった。要はそれだけあーやの特徴が如実に表れているということであり、それはすこぶる素晴らしいことだと思う。
あーやがガールズロックを志向するのであれば、アヴリル・ラヴィーンの2ndアルバム「UNDER MY SKIN」みたいなテイストが一番しっくりくるんじゃないかと思っていたが、当盤に所収の2曲はその雰囲気がすごくよく出ていると思う。少女の葛藤から一歩前に進んで、しかしまだ凛とした強さの中に無垢さが滲む。そんなまだひと色になりきらない淡さが魅力的だ。
声にも一本芯が通って伸びがよく、一皮剥けたような気がする。「詰合」みたいなのも悪くはないが、力こぶを作らずにこれくらいナチュラルな方がいい。個人的には、B面の英語の発音のクセがあまり好きではないが、可愛いといえば可愛い。
楽曲もいい。特にUNNAMED WORLDというタイトルがいい。さすが畑さんといったところだろうか。誰も知らぬ世界に踏み込もうとしているあーやにふさわしい。
みのりんのようなメタモルフォーゼではないが、あーやも一段一段確実に階段を上っている。これからの彼女が本当に楽しみだ。
08/5/10記