茅原実里:HEROINE
★★★★
発表当時は不幸にも注目を浴びることがなかった、みのりんのデビューアルバムである。
別に悪いアルバムではない。むしろ聞き所の多い、いいアルバムだと思う。特に前半3曲がいい。
「魔女っ子メグちゃん」はアレンジが効果的だし、「jelley beans」も「マリオネット」も、『Contact』所収の曲に劣らぬ魅力を持っていると思う。
曲の影響もあるだろうが、みのりんの声は今よりもずっと甘さがあり、今の声の方がはるかに魅力的なのは確かだが、これだけを聴けば十分突出した魅力がある。どうしてこれで売れなかったのか、理解に苦しむ(結果として今のランティスの売り方の方が正解だったわけだが)。
結局はキングの売り方がポンコツだったということになるのだろうか。
アイドル声優として売るには、確かにみのりんはアイドル的な華には欠ける。しかし、残念ながらキングにはそれ以外の売り方が思いつかなかった。そういうことになるのだろう。
レコード会社の枠などがあるから難しいのかもしれないが、ぜひ「jelly beans」アタリを今のみのりんの歌唱で聴いてみたいものである。
(08/2/27記)