ベートーヴェン:交響曲第7番 POCG-4069
カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
★★
クラシックを聴くようになった当初の頃は、曲目を知るのが先決で、演奏の良し悪しにまでは気が回っていなかった。というか、まだそんなことは分からなかった。
なので、まずは巷に出回っているCDをとりあえず手に取ることになる。必然的にカラヤンの比率が高くなる。最初に揃えたのがベートーヴェンの交響曲だったが、「英雄」を除き8曲がカラヤンの最後の録音だった(「英雄」はバーンスタイン)。
そんなわけで、カラヤンの録音によってベートーヴェンの交響曲とはどういう音楽なのかを知ったわけだが、何も分からないながらにどれもこれも面白い演奏だとは思わなかった。やがてクラシックへの興味を失いかけていたところにフルトヴェングラー指揮の「第5」に出逢い、その世界にどっぷりはまることになる。
今改めて聴いても、全く面白くない。オケはちゃんと鳴っているし、録音が鮮明なせいもあって箇所によってはフルトヴェングラーよりティンパニが利いている。にもかかわらず全く心動かされない。「この曲はこういう音楽なんですよ、はい」という解説を聞くようで、「ふう〜ん」という感想を抱くしかない。ただ音が鳴っているだけで、音楽に内在するパワーをいささかも感じることができない。
このCDを買った当時も、何も分からないながらも本能的にそういうことを感じていたようで、あまり熱心に聴いた覚えがない。音楽についての趣向に関しては、後付けのものではなく先天的なもののようだ。
(07/3/12記)