既存マンションの建て替え問題


■マンション建替に関する問題点
 マンションに限らず、建築物は必ず建て替えなければならない時期がやってくる。
しかし、不完全な所有権とさえいわれる区分所有権を前提としたマンションの場合、この建替は困難を極める。
 マンション建替に関する問題が顕在化した顕著な例は阪神淡路大震災である。
 隣棟に寄りかかるようにして、やっと建っているマンションの建替ができない。
 最近では一般的になった修繕積立金も、通常は階段廊下等の修繕に充てており、建替資金の原資とはならない。
したがって、マンションを建て替えようと考えれば、 住民の80%が同時に、必要な金額を準備して建て替えるという気持ちになる必要がある。
 以下、問題点の整理を行う。
 ①問題発生時期(将来的な問題で顕在化しにくい)
 ②合意割合(法的な80%も困難だが100%は計画的にしか達成できない)
 ③資金計画
  ・購入ローンの返済に圧迫され、建替資金が確保できない。
  ・退職等の理由により銀行から借入が出来ない。

■積極的に建て替えるという発想
 建替の合意形成は計画的にしか形成できない。
 この問題への対応策の大前提は、とにかく計画的に対応することである。どんなに資力がある人でも、ある日突然に建替資金を確保することは困難であろう。
 将来的な問題と考え、先送りにせず、必ず発生するいわば相続の様な問題として対処することが一義的に重要である。
 借入れについても、最近では建替に係る事業計画が明確でないと 個人では借入できない 場合すらあり、5〜10年という長期の事業計画をもって対応することが好ましい。

■とるべき行動
 ①建替に関する助成制度は多くの場合に適用が可能であるため、事業手法・税制優遇措置等に関する勉強会等を先行して行い、建替の必要性・各自の資金捻出計画・意向調査等を進める。
 ②次に各自の意向を反映するに適した事業手法を選択し、具体的な資金計画を作成する。

■進行事業実例紹介(現状報告)
<地区>    ○地区
<事業目的> 共同住宅の老朽化に伴う建替に関する合意の計画的形成。
<事業者案> なし。
<計画内容>
・勉強会の継続的開催による、各戸別意向調査及び資金捻出計画の策定。
・余剰容積の有効活用による土地代の実質的圧縮。
・優良建築物等整備事業による助成金の導入。
<結論>
 以上により、住民は 建替負担金の相当額を圧縮できる。

■連絡先と費用負担
 相談は建築・都市よろず問題相談所まで。当初のEメールによる相談は無料(メールはトップ頁からお願いします)。
 ①勉強会は行政等の助成を受けられない場合、委託費として年間10万円程度の住民負担が必要。
 ②事業計画の作成は行政等の助成が受けられない場合、委託費として10万円程度の住民負担が必要。
 ③事業手法の適用を前提に考えれば、上記を含めて 委託費・設計計画費・既存建物の除却等の2/3の助成が受けられる。


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