　1月1日　長者原登山口（１２時14分出発）　～０：５５～　桧林のベンチ（小休）　～１：００～　雨ヶ池（小休）　～１：２０～　坊ヶツル（１５：３０到着テント）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1月2日　（４時50分テント出発）坊ヶツル　～１：１０～　（この間道に迷い40分ロス）立中山分岐　　　　～１：１０　～　段原分岐（７時１０分）　日の出（7時20分　多分）　～０：１０～　大船山避難小屋（小休）　　～０：２０～　　　大船山山頂（２時間20分滞在）　～０：２０～　段原分岐　～１：００～　坊ヶツル　　　　　（13時45分出発）坊ヶツル　～１：０５～　雨ヶ池　～０：４５～　桧林　～０：３５～　長者原（16時10分）　

　
　2004年12月30日、日の出登山準備完了。登山靴や着替えは車に積み込み、食料が入るザックはあす朝持って行く事にし、目覚ましも朝5時にセット。気分はワクワク結局眠りについたのは1時近くなっていた。一夜明け目覚ましと同時に起床。遊びの時は目覚めが良いのだ。トーストと珈琲で簡単な朝食を済ませ、ザックを担いで駐車場まで行く　と・・・　一面真っ白じゃないか。目覚めた時窓の外は真っ暗で雪に気づかなかったのだ。急に不安になり部屋に戻って道路情報を調べると、何と、何と、高速道路は通行止めになっていた。一般道を走っても何時間かかるか解らんし、結局通行止め解除を待つ事にする。30分おきにインターネットで確認するのだが何時まで待っても開通せず、結局解除になったのは昼過ぎとなってしまった。その間友人から「未だ居ると？」と電話はあるし、ガックリと来てしまった。しかも久住方面は31日深夜から大雪となっているではないか。無理して行ってもどうせ日の出は見られん事やし、今回は中止だ。あ～あ残念。と　ここまでは31日夕方までの話しである
　
　夜　悔しいので久住方面の天気を見ると2日の朝は晴れではないか。高速道路も今の所大丈夫のようだ。1月1日じゃなくても、年が明けて最所に見る日の出が初日の出じゃないか。ザックも車から下ろしていない事だし。と　仕切り直しで明日やっぱり出発する事に。今度も朝5時に目覚ましをセット。

　年が明け窓の明るさで目が覚めた。　えっ！今何時。8時50分じゃないか。しまった。寝過ごしてしまった。遊びに行くのに寝過ごすなんて大失態じゃないか。今度は食事も取らず出発する。家からだと都市高速を通って太宰府インターから九州自動車道、大分自動車道と行くのだが、都市高速の途中から雪が降り始めた。「頼む！通行止めにならんでくれ。」と祈ったら通じたのか、通り過ぎて通行止めになった。危うくセーフである。　11時15分に九重　長者原に無事到着。天気は良いのだが高速を降りて長者原までは積雪で道は真っ白である。冬山の最高のコンディションじゃないか。心ウキウキ、気分ワクワク、気分は山の上。　ここからようやく初日の出登山となる。ココに来るまで2日も掛かってしまった。

　　　　　

　これは高速道路　

　高速を降りて長者原へ向かう道

　冬山の完全装備にアイゼンを付け、重いザックを担いで坊ヶツルへのメインルートを歩き出す。何しろこのザック５日分の食料が詰まっているのだ。最所の予定で31日から3日まで、それに予備食1日分がそのままなのである。日帰り登山の倍の時間をかけてカタツムリ状態で登っていく。何しろテントでの山行は1年ぶりなのだ。なだらかなアプローチを過ぎややキツイ登りの途中にある桧林にあるベンチで遅い昼食。腹を満たしさらに登って雨ヶ池。

　　

　アプローチに細い踏み跡　

　雨ヶ池のかすかに見える木道

木道を設置してあるのだが踏み外すと腰まで埋まってしまうので慎重に歩く。この後なだらかに下ってようやくテントを張る坊ヶツルに着く。ココまでにすれ違った人７人、追い抜いた人３人。前日の大雪のせいか登山者が異常に少ない。
　
　テントを設営しほっと一息。この広い坊ヶツルにテントが５張。いつもの半分以下である。やっぱり好き者は数は少ないが居るもんだ。夜テントの中で天気予報を聞くと日の出は見られそうだ。早めの晩飯の後安心して眠りにつく。

　　　　　

　雪の中の我が家　　

　朝テント内の温度　－５．５度
　
　１月２日早朝３時半起床。ゆっくり朝食を取って４時５０分大船山に向かって出発。ヘッドライトの中に踏み跡がしっかりと付いている楽勝だ。　と思っていたら、すぐに踏み跡が二つに分かれていた。大きい方の踏み跡をたどっていく。すると又二手に。どうしたもんかと悩んでいたら、法華院温泉泊まりの登山者が追いついてきた。慣れているらしい彼の後に付いていく事にした。しばらく付いて行くと　「行き止まりで行かれんですよ」　「えっ！こっちじゃないんですかね」　「もう一つ手前の方を行ってみましょうか」　「あれ！元に戻った」　で　この間３０分以上ウロウロしていたら、又二人の登山者が上がってきた。　今度は４人だ。踏み跡と目印の赤いテープを確認しながらようやく迷路を抜ける事が出来た。この間体力を使い果たし、未だ元気のある３人は先に登っていった。

　時間を確認すると日の出までに山頂に着けそうにない。急がんと間に合わないが、しかし体力が・・・。　ヒイヒイ　ハアハア　フウフウ　７時１０分大船山山頂まで２０分の段原分岐に着く。すっかり明るくなった。日の出まで後１０分。山頂に行くには絶対無理だ。ここからだと山頂の陰になって日の出は見えない。右に行くと山頂、直進して肩から日の出を見る事にする。距離にして２００メートル足らずだが腰まで雪に埋もれた登山道で１０分近くも掛かってしまった。小灌木を抜けるといきなり周りがオレンジ色になり太陽が顔を出した。

　　　　

今年最初の日の出　

段原　右側の縁から太陽を見る

　時間は７時２０分。山頂からだともっと早くきれいな日の出が見られたかも知れない。ま　しかし何処で見ようと日の出は日の出だ。有り難く自然に感謝する。風が出てきたので段原分岐に戻り大船山避難小屋に避難する。ここで一息いれて山頂へ向かう。　
　天気は快晴。太陽の恩恵を思う存分堪能する。お湯を沸かしインスタントの餅入り善哉で胃袋を暖める。登る途中で暑くなり脱いだフリースをザックに入れていたのだが、汗で濡れた部分がパリパリに凍っていた。

　　　　　　

　山頂で　　　　

　避難小屋での気温　－８度

　そのはずだ。気温は－９度。しかし風がなく太陽に向かっていると体は暖かくなってくる。今までの初日の出登山だとこんなに雪はなく葉を落とした木々が見えたのだが、今日は白一色の世界となっている。

　　　　

　白い世界は目が痛くなる　

　珍しいブロッケン現象が

　山頂にいた３人も写真を撮りおわると、皆下山したので一人静かな景色を楽しむ事が出来た。例年の日の出登山だ、と入れ替わり立ち替わり常に１０人以上いて賑やかなのだが、今回は大雪のせいか、はたまた２日のせいか、２時間ほど山頂を独り占めする事が出来た。こんな時　我が人生を思い、大地の破壊を憂い、イラクやスマトラ島沖の地震を心配する・・・　事もなくただボーっとしていた。正月から　一人で山に登る時のいつものパターンである。　今年も変わらんな。
　
　１１時ころ女性４～５人の団体さんが登ってきたので逃げ出す事にした。例年だとこのあと段原の窪地へ下り、世界のへそを実感するのだが、なにしろ前日大雪が降ったばかりである。腰まで雪に埋もれてラッセルしなきゃならん事を考え止めにした。　何処に行くにも「高村光太郎」状態なので同じ登山路を戻り大人しくテントへ帰る。

　１２時過ぎにテントに帰り着く。風もなく天気が良いので外で昼飯。さて、この後どうしたものか。最初の予定では明日　白口岳から御池そして九重分れを通り法華院温泉に入りテントに戻る予定だったのだが、この雪である。一人でルートを作るのは大変だし・・・。時間はたっぷりあるし・・・。本もあるし・・・。食料も未だ３日分有るし・・・。　・・・　・・・　・・・。　帰ろう。決まったら早いのだ。早速テントを撤収し、重いザックを担いで下山する。長者原に着いたのは４時過ぎだった。そのあと長者原温泉まきばの湯で疲れを癒して帰路につく。
　
　１年ぶりのテント山行だったのでくたびれた。やっぱり２０キロオーバーのザックは重い。しかし正月から最高の雪景色を見れたし今年は良い事があるかな？。

　