　１２月　３１日　　　　　　　　　　

長者原　～2：00～　雨ヶ池(昼食）　～1：00～　坊がツル(テント）　

　毎年の恒例行事である初日の出を見るために、１２月３１日、朝７時少し前　九重に向かって自宅を出る。毎回思う事だが、冬の山は寒いし、装備が増える為荷物が重くなってキツイのだ。なのに、何で行くんだろうと。嫌なら止めればいいことだし。で、嫌じゃないので今回も雨の中を早朝でかけたのだ。平地で雨なら長者原まで行くときっと銀世界だと期待していたら、雨。　雨の中　登山準備を整えのんびりと上り始める。途中法華院温泉泊まりの軽装のおじさんに（こちらもおじさんだが）声を掛けられる。「テントですか、気楽で良いですなあ」　｢その分重いですよ」　おじさんは背中のザックを見て納得した顔で追い越していった。こちらは家財道具一式家一軒背中に担いでいるのだ。雨ヶ池に近づくにつれ雨が霙（この字読めるけど普段書かないです）に。そして雨ヶ池では、何と吹雪である。ここでのんびり昼食をと思っていたが甘かった。吹雪の中お湯を沸かす事もままならず、立ったまま朝コンビで買ったおにぎりを食べる。指先はジンジンするし、鼻水は出てくるし、おにぎりに塩味が付いて微妙に旨かったけど・・・。食事を終え、坊がツルの幕営地　｢この場合キャンプ場よりも幕営地と言いたい。キャンプ場だと何となくオートキャンプのイメージがあり背中のザックの重みに相応しくないのだ」へと下りていく。此処は標高のせいか、それとも地形のせいか、雨になっていた。雨ヶ池より２００ｍ位しか降りていないのに。坊がツルに着くと雨も上がりテントを張る場所を探す。私のテントを張る条件は　　（１）出来るだけ地面が平らな事。凸凹だと肩こり、腰こり、あっちこり、こっちこりで翌日の行動に差し支えるのである。　（２）近くに他のテントを張られない事。　　ほんとはこちらの方が一番大事なのである。以前、近くに大型テントを張られ、酒を飲んで大声で話すは、歌うは、で閉口したことがあるのだ。今回も遠くではあるが、ハーモニカは吹くは合唱？はするはで、にぎやかなグループがあった。この時の歌、「歌声喫茶」でよく歌われていた様な歌である（古いね）。たまには「中島美華」を歌ってみろ、「ケミストリー」を歌ってみろと言いたいね。もっとも山の中で聞きたくは無いけど。　　　３１日はテントを張り終えると後することがないのだ。早めに晩飯を食い年越し用に持ってきたカップめんのソバを食べて寝た。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


者原より指山その向こうに三股山が、見えない	雨ヶ池まで行く途中	雪の雨ヶ池


雪が無い坊がツル	理想的な？テント設営地	明日登る大船山

　　１月１日

坊がツル　～１：３０～　段原分岐　～０：３０～　大船山山頂　～０：３０～段原分岐　～０：１０～　段原　～０：５０～　立中山分岐　～１：１０～　立中山山頂(昼食）　～１：００～　坊がツル

　初日の出を見るために3時半起床。昨晩の方が冷え込みがきつく、テント内はー4度まで下がったのに今朝は0度そこそこだった。簡単に朝飯をすませ、4時40分、大船山に向かって登山開始。ヘッドランプを点けて登るのだが、山頂少し前で夜が明け始めた。山頂に着いた時は5～6人しか居なかったが、7時を過ぎるころには30人近くなっていた。　6時半頃東の地平線が紫色に染まり始め、段々と空一面に広がって色も青くなっていく。7時頃には、地平線がオレンジ色になり段々輝きをましその1箇所から今年最初の太陽が顔をだしたのだ。感動もんです。24時間ごとに必ず繰り返される出来事だけど、時と場所によってこんなに違うもんですかね。今年は良い年に成りそうだ。
1時間ほど太陽が昇った後も山頂に留まり太陽の光を満喫した後、段原へとおりていった。実は久住の中で、この段原が一番好きなのだ。昔の噴火口の跡で周囲より少し低くなっただだっ広い草原なのである。此処に来ると地球の真ん中に立っているような気がするのだ。何処にいても地球の真ん中には違いないのだが、此処に来るとそれが実感として感じられるのだ。だけどここで愛は叫ばないのである。この場合は世界の真ん中と言うべきか・・・。　昼近くまで此処で和んだ後大船山を降り、立中山へと向かう。この立中山は坊がツルから見ると大船山裾野の右側に見えるこんもりとした山だ。この山は人気が無いのか登る人がすくないのである。山頂は草原となりそれなりに気持ち良いのだが何せ周囲の山が高いので見下ろされる感じなのである。山頂でかなり遅い昼食をとり、昼寝して(風が無くて太陽が射しているとポカポカして気持ち良いのだ）坊がツルの我が家へと帰っていった。


オレンジ色の帯	最初の太陽	山頂から見た　段原


山頂直下の雪	中央の低い山が立中山

　　　　　　
　２日である。天気が悪いのだ。とりあえず計画どうり白口岳から久住中岳を回ってくる事にする。空は灰色、山は半分以上ガスがかかって見えない。天気予報では昼から悪くなるらしい。坊がつるから法華院温泉を抜け、鉾立峠へ向かう。これから白口岳へ直登だ。ルートも山頂に向かって真っすぐに伸びている。一歩ずつ両手両足を使い登っていく。これが又キツイのだ。ヒイヒイ、ハアハア、６合目位まで登ってくると、上から降りてくる人がいる。急斜面をストック２本使ってかなりのスピードで降りてくるのだ。言葉を交わすと、坊がつるまで降りて、大船山へ登るそうである。たいしたもんだ。脱帽だ。こちらはヒイヒイ、ハアハアと。　ま、中高年の登山はこんなもんだ。白口岳の山頂に着くと風が強くなり、霰（あられ　普段使いません）が横殴りに降ってきた。これが又痛いの痛くないのって　どっちだ。だ。フードをすっぽりとかぶっても、目の周りにピシピシとあたるのだ。おまけに視界は３０メートルそこそこ。御池、中岳を回って降りてくる予定を変更。途中の中岳分岐より法華院温泉へ降りることにする。３分の一ほど降りると風も無く霰も降ってこない。テントで昼飯を食すのも悔しいので此処で食事タイムとする。中岳のほうを見上げるとかなりの強風のようだ。下山して正解だった。２時には坊がつるの我が家へ。外は霙交じりの雨である。ヒマなのだ。こんな時の為に、「村上春樹」の文庫本を持ってきていたのだが、頭に入らないのだ。テントの中とはいえ自然の真っ只中にいると人間の小ざかしい文章なんか意味を持たないのである。結局風の音を聞きながら２日の午後は過ぎていくのであった。

１月　３日

坊がツル　～１：２０～　隠れ池(昼食）　～１：３０～　長者原

　
　大チョンボをやってしまった。　今日は昨日とうって変わって好天気になった。今朝の冷え込みは厳しく、周囲の山は霧氷で白く化粧している。快晴の中絶好の登山日和なのだが・・・　だが・・・　食　食料が無い。明日の分の食料が無い。昨晩の点検で判明していたのだが。４日までの食料を持ってきていたはずだったのだが、出発前に再点検でザックから出したのがいけなかったのだ。多分再度ザックに戻す時に入れ忘れたのだろう。非常用に餅を持ってきていたので、スープに入れて食べれば２食分にはなるのだが、帰りの道の混み具合もあるし、無理をせずに下山することにした。　晴天の中テントに付いた氷を払い落とし、すごすごと撤収へ。帰りは雨ヶ池の上の隠れ池で昼食を取る。ここもお気に入りの場所なのだ。今まで何度か立ち寄っているが、人に出会った事は２度しかない程の隠れた場所なのだ、今までは。


完全に氷結した隠れ池	左の写真の奥に見える山は平治岳	戻る途中に右の標識を発見

　

　此処でしばし和んだ後本道に戻る途中に発見したのだ、この標識を。今までは知る人ぞ知る存在だったこの池がメジャーになってしまった。今までゴミなど殆ど落ちてなかったこの場所、いずれ汚されてしまうのでしょうか。残念である。　　長者原へ着くと早速温泉へ。　九重の山登りはこれがあるからいいですね。今度はいつ来ようか。

東の空がオレンジ色に染まる　　日の出前の荘厳な儀式