北海道 視察?の旅
 9月16日  薄曇り  気温              昼の気温 23度前後
昼10時 福岡空港出発。天気晴れ。13時千歳空港到着。生まれて初めての北海道。思わず「でっかいどう北海道」の言葉が出てしまった。古い人間である。
 天気曇り 気温は高いが湿度が低いせいか、空気はさらっとしている。空港よりマイクロバスでレンタカー会社が集合しているレンタカー団地へ。借りる車はナビ付きなので地図とにらめっこしなくて済むので気楽である。今日の最初の宿 上富良野をセットして出発。コースはカーナビにお任せ。実は何処をどう通って良いのか解らないのだ。
 走り出して10分もすると北海道の広さが実感出来た。交差点は直角に交わりその道が真っ直ぐに続いているのだ。そして極めつきは交通標語 「道路状況に応じて安全運転を」これである。これ以外の交通標語は見ることがない。九州でよく見る標語「法規を守って安全運転」だの「そのスピードが死を招く」だの規制するような野暮な標語は一切無いのである。北海道は「道路状況に応じて」車の流れに乗って走らなくてはならないのだ。
こんな真っ直ぐな道 赤い矢印は除雪用道幅の目印 道路状況に応じたスピード
 
 北海道の人たちは実に大らかである。ちまちましている「ムネオ」何某はどうも北海道には相応しくない人のようだ。
 
道のそばの小さな農家 町はずれの駅
1日7本の列車が往復する
トイレットペーパーである
北海道限定である

 空港から富良野までは殆ど町らしい町は通らなかった。何しろカーナビ任せなので、初心者用に人口の少ないコースを選んでくれたのかも知れない。富良野の町も日本の田舎町の風情ではなく、アメリカ映画に出てくるような田舎町に近い。何しろだだっ広いのだ。「エリエール北海道」はアメリカ映画にあるような とにかくでかい何でも有り(農機具から下着まで)のショッピングセンターに売っていた。
 6時ちょい過ぎホテルに到着。九州よりも東に来ているせいか、日の入りが少し早いようだ。空港より3時間で到着。走行距離「148キロ」。休憩、買い物の時間も入れて約3時間である。北海道に本当に高速道路は要るんだろうか?
 本日の宿・・・ホテルの夕食はチョットひどかった。「サーロインステーキと何タラカンタラ」だったのだがとにかく肉が堅いのだ。「すみませーん、鋸貸して下さい」と言えば良かった。上富良野の高台にあって窓からのロケーションが良かったので許すとするか。

 9月 17日  曇り夕方より雨           昼の気温 20度前後
 朝9時ホテルを出発。今日の予定は旭川を経由して網走まで。此処から美瑛、旭川までの間にTVコマーシャルやポスターに使われたロケ地が点在している。カーナビに「四季彩の丘」「セブンスターの丘」(セブンスターのポスターに使われたらしい)「ケンとメリーの木」その他色々をセットして出発。これらは丘陵地帯に点在しているので、地図を見るだけではまず行くことが出来ない。まさにカーナビ様様である。

四季彩の丘 観光名所になっていない
普通の木 これも絵になります
ケンとメリーの木

 我々観光客は、記念写真を撮って「ワイワイ」「キャーキャー」と、通り過ぎていくだけだが、一本の木にも深い歴史があるのだ。木の側の案内板を見て、改めて開拓の歴史を思い知らされた。沖縄は何度も行って好きな場所だが、北海道も又来たい場所になった。難点は九州からだと遠いので少々費用がかかる事か。      
 この観光名所を駆け足で抜けて昼近く旭川の町へ。今回の大義名分の一つ「旭川の家具展」へ行く。北の国から提案する家具のあり方。参考になりました。

 9月 18日  午前中雨のち曇り            昼の気温 22度前後
 
今日の予定。アッケシ草を見て、知床半島を横断しミルクロードを通って、今夜の宿 屈斜路湖へ。
 相変わらず天気は悪い。雨の中 厚岸湖へ アッケシ草(サンゴ草)を見に行く。季節的には今からがベストシーズンらしい。実際見てみると実に不思議な植物だ。やっぱり自然は面白い。

湖の岸辺が赤く染まっている 近くで見るとこんな草
高さ20センチ程
 
 10時過ぎ、知床観光の拠点「ウトロ」へと向かう。国道はオホーツク海沿岸を走り途中、「原生花園」へ立ち寄る。此処であの知床旅情に歌われている「ハマナス」を初めて見た。花の直径7センチ程。花の時期にはチョット遅かったが、ここらあたりでは一面に咲いているそうだ。北海道で花を見るならやっぱり5月から8月までのようだ。次に立ち寄ったのは「オシンコシンの滝」。この滝は国道のすぐ横にあり、国道は海岸沿いにあり、で、滝は流れ落ちるとすぐ海に注ぎ込んでいるのだ。を見て「ウトロ」の町を抜け知床横断道路へ。

意外と派手なハマナス 原生花園にある原生花園駅
ログ作りで日本一小さいそうだ
アイヌ語で
オシュク・ウシの滝
知床半島の原生林 横断道路頂上より国後島を見る
空と海の間に細長く見える
知床横断道路 峠のバス停
一日1往復

 この知床半島 殆どが自然遺産に登録されていて、手付かずの原生林がそのまま残っている。時間があれば、もっと森の奥まで入ってみたかったのだが。ネイチャーガイドが常駐し案内してくれるのだ。残念である。
 知床横断道路を降りたところが羅臼の町。イクラたっぷりのイクラ丼を食す。旨い。腹も満ちた所で、次の目的地ミルクロードを通り光陽台へ。ここの道も真っ直ぐなのだ。とにかく真っ直ぐなのだ。ここで道路の計画をした人は楽だったろう。定規で地図の上に真っ直ぐの線を碁盤状に引いて、ハイこれで作って。なんてね。そして広大な緑の牧草地。同じ農業でも僕の工房の周りとは一味も二味も違うようだ。

遥か彼方まで続く牧草地 光陽台からの眺め
晴れた日は
地平線が見えるらしい
川の流れも
リバーランド・スルーイットだ
ブラッド・ピットが2〜3人居た

 この光陽台はここら辺で唯一の高台になっていて、360度牧草地(だけじゃないかも知れないが)が取り囲んでいる。空気が澄んでいたら地球の丸いのが解るらしい。残念ながら今日は雨と曇りで、ぱっとしなかったが、それでも広大さは充分に堪能出来た。日も大分落ちてきたので光陽台を後にし、今夜の宿屈斜路湖へ。一頃「クッシー」で騒いでいたが、今はペンキが剥げ掛けた看板が残るのみである。途中摩周駅で足湯に入る。この足湯、九州であちこちに出来ているが、北海道でも同じのようだ。

 9月 19日  晴れ時々曇り            昼の気温 23度前後
 北海道に来て、久しぶりに太陽が顔を出した。今日の予定は摩周湖を回り釧路湿原、そして最後の宿、帯広の十勝川温泉へ。
 朝9時、宿を出発。布施明の歌で有名(おじさん、おばさんだけ)な霧の摩周湖を目指して山道を登っていく。途中道路をキタキツネがひょこひょこ歩いていた。やっぱり北海道は大自然がたっぷりである。等と感心していたが、我が工房も狸は顔を出すし、近所の田圃は猪除けの電気柵はあるしで、あんまり変らないのだった。
 山道を登り詰めると第3展望台。案の定湖面は霧に包まれ岸辺近くにかろうじて、濃い藍色の湖面が顔を見せていた。まあこんなもんだろう。この先第1展望台まで行くと霧も大分晴れてきたが、駐車場は有料。ココはパス。早々に釧路湿原へと向かう。

道の真ん中をのんびりと歩いている
こんなに人慣れしている野生動物は どうなんだろう
それとも彼らのテリトリーに入り込んだ人間が避けるべきか
噂に違わぬ霧の摩周湖
これを神秘と言えば神秘だが・・・

 釧路湿原に着くとガイドブックに大きく載っている展望台へと向かう。これが失敗だった。木道の観察路を歩いていくのだが、1時間歩いて湿原が見えるのは只の1ヶ所。後は殆ど林の中。これなら植生は違うが工房の裏山を歩くのと一緒である。「釧路市釧路湿原展望台」この名称に騙されてしまった。オマケに施設内の展望台は有料。こんな消化不良じゃ福岡に帰れないではないか。ガイドブックを目を皿のようにして見ると(目を皿にするとはどのようにするんだろう)とにかくじっくりと隅から隅まで見ていたら有りました。「温根内ビジターセンター」これは地図に名前が載っているだけだが、行ってみると大当たり。事前に申し込むとガイドも付いて案内してくれるではないか。ガイドブックはまるまる信用するなと言う事だ。又一つ賢くなった。

湿原内の木道
歩いて1時間 設営した人に感謝

要所要所にこんな案内板が この大蕗
道内到る所で見たのだが
ココで記念撮影

 此処の木道をあるくと、釧路湿原の数百分の一、あるいは数千分の一を歩くだけだが、圧倒的な広さ、自然の雄大さを思い知らせてくれた。これで安心して福岡に帰る事が出来る。
 日も大分落ちてきたので最後の宿、十勝川温泉へと向かう。

 9月 20日  晴れ              昼の気温 23度前後
 北海道最後の日。日高山脈を越えて千歳空港へ向かう。この北海道の旅は実に心地よい旅だった。又来る機会があったら、同じコースを巡っても良いと思える程だ。北海道が好きになった。が、本来の目的、ナラの木の現状はどうなったんだろう。この旅でナラの木を一本も見なかった。北海道のナラの木は消滅したか? 車で走り抜けるだけだとホンノ表面しか解らないと言う事か。
 最後に北海道を5日間走って、へ〜と思う事が・・・。
 北海道の主だった国道はニックネームが付いている。「夕張国道」「「遠軽国道」「旭峠国道」「オホーツク国道」「斜里国道」「知床国道」「国後国道」・・・きりがない。標識に書いてある
 国が管理する道は「国道」。市が管理する道は「市道」である。では、北海道が管理する道は、そう 「道道」である。これもちゃんと標識に書いてある。
 安全標語は「道路状況に応じて安全運転を」
 信号機の名前は
 これだと、道順を教える時 「駅から真っ直ぐ走って、(東8南12)を右に曲がり、(東4南12)を左に曲がりしばらく走って、(東2南7)を左に・・・その先が僕の工房です。」これで解るのだろうか。同じ交差点でも向かう方向によって名前が違うのだ。 
 
 実に北海道って面白い。今度は別の季節に行ってみたい。

           
                 

写真はこの下

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富良野郊外の牧場 未だ行った事無いけどフランスの田舎はこんな景色だろうか












観光花園 四季彩の丘
残念ながらラベンダーの季節は終わっていた

 
 
ああ




観光花園 四季彩の丘
これだけの面積花で埋める労力 頭が下がります
花畑の向こうは天然の白樺の林







四季彩の丘近くの丘陵地
植え付けられた野菜の色模様 実に絵になります








この広大さ 気持ちいい
 
 
 
 


ああ

 
哲学の木と言うらしい 何で?
チョット斜めに傾いでいるかららしい








上のツリーを反対側から見た
この木何の木?








有名な?
ケンとメリーの木だそうだ
このポプラの木の下に立て札があった
「祖父の代に植えられて・・・
今は木としての寿命を迎えようとしている・・・」
開拓の歴史である







これはケンとメリーの木では無い
ここら一帯何処でもこんな景観に出会う










畑の中にぽつんと・・・










広い 胸がいっぱいになる程広い
遠くは大雪山系











旭川市から網走市へ
道の両側は白樺の林だ
すれ違う車も殆ど無くこんな道が延々と続く










厚岸湖
これだけは今の季節しか見られないサンゴ草
アッケシ草 ヤチサンゴとも言う
他の季節はどんな色なんだろう









およそ植物とは思えない
この20センチ足らずの小さな植物が何千万何億と集まり岸辺を赤く染めるのだ
まさに神様のいたずらなんだろう











最果ての地知床半島から見るオフォーツク海
季節は夏過ぎたばかりなのに 
この鈍色の海










知床半島 原生花園
ハマナスの花
7〜8センチはある実に綺麗な花だ
北の最果ての地だからこそこんな綺麗な花を付けるのだろうか








知床半島 オシンコシンの滝
アイヌ語で「オシュンク・ウシ」(そこにエゾ松の群生する所)という意味だそうだ
滝壺は無く すぐ向こうは海










知床横断道路山頂部からの眺め
海の向こう雲を被った細長い島影は国後島
こんなに近いとは思わなかった










標津町のミルクロード
真っ直ぐに永遠に真っ直ぐに続いている








標津町の牧草地を縁取る唐松の林
原野を開拓しながら植えていった人工林でスペースシャトルからも見えるそうだ








標津町の一枚の牧草地
遥か地平線まで続いているようだ
田圃だと1枚2枚と数えるが このような牧草地どんな数え方をするんだろう











標津町の幹線道路
こうやって視線を落とすとバニシング・ポイントが本当に有るんだと 実感出来る









標津町のとある牧場
殆どの牧草ロールは黒いテープで巻いてあるのだが
これは牧場主の遊び心だろうか









標津町光陽台から












霧の摩周湖
霧の隙間からわずかに覗いた湖面
噂に違わず吸い込まれそうな藍の色である










釧路湿原
これはこの湿原の数千分の一なのだ










釧路湿原
あのブッシュの向こうにチーターが・・・
羽二進の解説が聞こえてきそうだ









釧路湿原
湿原の先の先 何だか丸く見える
アウトドア
T O P