書名別検索へ戻る   ←分野別検索へ戻る


 


『わかりやすい暗号学
−セキュリティを護るために−

 

高田 豊 著

四六判 198頁 定価 (本体1700円+税)
ISBN4-946553-08-8 C0055

《内容》

 暗号が軍事目的で開発されたのは過去の時代のことであり、いまや想定されている主戦場は、ビジネスや行政、家庭など、いずれをとっても平和利用の 分野です。IT革命を進めようと考えれば、そこにはセキュリティを護るかなめとしての暗号が必要不可欠です。暗号は、とくにそれと意識しないうちに、身近 な生活の中にも、少しずつ溶け込んできて使われるようになりました。
 本書は、そのアルゴリズムが公開されている代表的な暗号について、簡単な実例を用いわかりやすく解説してあります。

《主要項目》

第1章 暗号の歴史−ギリシャ・ローマ時代から第二次世界大戦まで−
古典的な暗号/平文と暗号文/シャーロック・ホームズの「踊る人形」の世界/記号と符号と暗号/エニグマ暗号機による暗号化の実際/暗号解読のために誕生した電子計算機の原形…コロッサス/解読と複合化のちがい/人類の設計図…ヒトゲノムの謎/その他

第2章 コンピュータの登場とともに発展しはじめた暗号
暗号は身近なところで使われはじめた/有料衛星放送のかなめとしての限定受信システム/コピープロテクションのばあい/パーソナル通信分野での暗号利用/電子商取引の中の暗号/米国の公文書などに標準的に用いられているDES暗号/共通鍵暗号と公開鍵暗号の違い/その他

第3章 共通鍵暗号の雄、DES暗号
DES暗号の基礎/入力された平文の文字コードをビット単位で並び替える…初期転置/関 数処理の手はじめ…拡大処理/関数処理後の転置…P転置/DES暗号処理の最後…最終転置/DES暗号のバリエーション/共通鍵暗号のいろいろ/鍵の寄託 制度とペアになったスキップジャック暗号/その他

第4章 新しいミレニアムをになう公開鍵暗号
ふしぎな数の世界のはなし/公開鍵暗号の実現をうながした鍵の共有問題/離散対数問題を暗号にしたエルガマル暗号/素因数分解の難しさを利用するRSA暗号/素因数分解の困難さに依存するもう一つの暗号…ラビン暗号/国産の公開鍵暗号…エポック暗号/その他

第5章 最も安全と目される楕円曲線暗号
楕円曲線上の点を組織して暗号をつくる/エルガマル型暗号を楕円曲線の点を用いてつくる/楕円曲線以外の点も使えるメンジース・ヴァンストンの暗号/楕円曲線暗号の解読技術は/共通鍵暗号と公開鍵暗号の得失をまとめれば/公開鍵暗号の三種類についてまとめれば/その他

第6章 認印に代わる電子署名と印鑑証明にあたる電子認証
ハンコやサインに代わる電子的手段は/電子署名技術のいろいろ/メッセージ・ダイジェストはどのようにつくるのか/IT関連ビジネスとしての電子認証局の意義/電子認証局には階層がある/その他

第7章 インターネットで使われる身近な暗号
インターネットに暗号を取り入れる/電子商取引に特化されたプロトコル…SET/インターネットで使われはじめたポピュラーな暗号…PGP/IDEA暗号とDES暗号とのちがい/その他

第8章 ネットワークとそのセキュリティ
サイバーテロの脅威/金銭がからんだネット犯罪/年中行事になったコンピュータ・ウィル スさわぎ/他人のコンピュータへの不正侵入を罰する「不正アクセス禁止法」/ホームページのアクセス制限とファイヤーウォール/セキュア・サーバーとサー バー認証/次世代の暗号技術は/その他


米田出版 発行