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 『マイクロトライボロジー入門』



  安藤泰久 著

  A5判 224頁 定価 (本体3000円+税)
  ISBN978-4-946553-40-0 C3053






《内容》

 マイクロトライボロジーの特徴は、@サイズの違いなどがきっかけとなって、マクロなスケールでは気がつかなかった現象が現れること、Aミクロな視点で 行った解析によって、摩擦現象の本質に迫ることが容易になること、Bマクロなトライボロジーとナノトライボロジーをつなぐ役割をもっていること、である。 そして、これらの特徴に共通しているのは、トライボロジーに関して新しい視点を与えてくれることである。
 マイクロトライボロジーが取り扱う現象は、それぞれを物理や化学の知識で説明することができるか、あるいは、あと一歩で説明できそうなところまで来てい る。そのため、マイクロトライボロジーの視点で見ると、個別の問題の本質に近づくことができるようになり、それまで別々の現象のように扱われていたトライ ボロジー現象にも共通点が見えてくる。
  本 書は、マイクロトライボロジーについて書かれているが、トライボロジーの第二の入門書でもある。マイクロトライボロジーの勉強をこれから始める人や専門家 だけではなく、いろいろな分野でトライボロジーの問題に取り組んでいる人、潤滑や摩擦摩耗現象に興味をもっている人が読んでも、十分に役に立つ内容になっ ている。多様なバックグラウンドの人が興味をもって読み進められるように、つながりを重視した構成になっている。

《主要項目》
 
章 マイクロトライボロジーの世界
微小化が開くマイクロトライボロジーへの扉/マイクロトライボロジーの技術/マイクロトライボロジーとは何か

章 凝着力が摩擦に与える影響−修正される摩擦法則−
凝着説による摩擦の解釈とその矛盾/低荷重の摩擦で顕在化する凝着力/摩擦力から推定する凝着力/荷重がゼロのときの摩擦力

章 凝着力とは何か−小さな水の大きな力−
凝着力の正体/ラプラス圧力の作用/凝着力はコントロールできる/摩擦面に作用する凝着力とその大きさ/真空中の凝着力

章 摩擦力はどこまで小さくなるか−乾燥摩擦の極限−
超潤滑と超低摩擦現象/「乾燥摩擦」でも存在する粘性抵抗/真空中の微小荷重下での摩擦/固体接触による摩擦力を切り分ける

章 ナノトライボロジー−原子や分子の相互作用が現れるとき−
マイクロからナノトライボロジーへ/単分子膜の摩擦特性/原子的に平滑な面に作用する力/ナノスケールの接触面積に作用する力/ナノからマクロへ

章 ミクロな視点から捉えた摩耗現象−摩耗を利用した加工と摩耗を支配する力−
AFMを用いた摩耗試験方法/AFM を用いた微細加工/ミクロな領域の摩耗形態/摩耗と摩擦力の複雑な関係/原子間相互作用で考える摩耗

章 微小な摩擦力を測る技術−高感度な力測定を目指して−
力の検出方法の比較/原子間力顕微鏡(AFM )の活用/多様なマイクロトライボロジー測定装置/自分で設計するマイクロトライボロジーテスター


米田出版 発行