『住居医学 (Ⅰ)』
吉田 修 監修・筏 義人 編
吉田 修・三村浩史・筏 義人・大﨑茂芳・内山巌雄・尾崎二郎・
細井裕司・喜多英二・和中明生・
守本とも子・車谷典男
四六判 210頁 定価 (本体1800円＋税)
ISBN978-4-946553-30-1
《内容》
私たちにとって極めて重要な住居を、医学という視点からも研究しようというのが、「住居医学」の発端です。しかし、それは俗に“住まいの診断”と いわれているような、建築物の不備・瑕疵調査などを意図するものではありません。わかりやすくいえば、住宅や看護棟などの室内ですごす人たちにその室内環 境が原因で発生する病気、ストレス、快適さなどに関する研究を行うのが住居医学ということができます。
《主要項目》
まえがきに代えて
第１章 住まいの伝統に学ぶ
住まいの伝統と学問／涼しい風の通る家／家族の気配が通う家庭空間／呼吸する木造住宅
第２章 1/f ゆらぎは快適さの指標となるだろうか
自然は複雑系／時系列データの変換とパワースペクトル／測定例の紹介／1/fゆらぎの本質とは／ゆらぎの幅
第３章 クモから学ぶ住みよい住居
クモの巣の構造と糸の性質／クモの糸から得られた究極の危機管理／クモの巣での危機管理術／建物の安全性／クモは手を抜かない！／クモの性悪説が生きてくる建造物への考え方
第４章 シックハウス症候群をめぐる最近の動き
シックビルディング症候群／シックハウス症候群とは／シックハウス症候群が増加した原因／シックハウス症候群の診断／シックハウス症候群の全国的な疫学調査／シックハウス症候群と多種化学物質過敏症との相違
第５章 台頭する住居医学
これまでの住居への医学のかかわり合い／住居の安全性と快適性を脅かす原因／住居医学の目的／住居におけるトレードオフ現象
第６章 リハビリ専門医から見た住居
段差の調整／手すり／支持台／心身の活性化と住居
第７章 耳鼻科から見た住居
聞こえを住居に活かす／なぜ住居は医学されなければならないのか？／医学的視点による新しい住居評価の可能性―視覚を用いた音環境の評価―
第８章 住宅内微生物と免疫
住宅内の微生物／住宅とカビ／清潔志向と生体防御／健康維持に必要な微生物との共存
第９章 神経を再生させる住環境
神経新生とは何か？／神経新生と環境、機能の関係／神経新生と疾病／神経新生と住環境
第10章 デンマークの優れた高齢者住居―住宅を基盤に地域で最後まで―
デンマークの高齢者住居／日本の画期的な高齢者住宅一事例の紹介
第11章 石綿使用の歴史とその人体影響
石綿（アスベスト）とは／石綿使用の歴史／わが国における石綿使用の歴史／石綿の人体影響／わが国の石綿の使途
米田出版 発行