液晶の光配向

『液晶の光配向』　　

市村國宏　著

A5判　198頁　定価 (本体3000円＋税)
ISBN978-4-946553-27-1　 C3055

《内容》

　光分子の配向は、分子が光を吸収する原理に基づいているにもかかわらず、典型的な学際研究の対象であるためか、これを解説した書籍は見当たらない。本書では、光分子配向の面白さを伝えるべく、さまざまな側面からわかりやすく解説してある。関係者の必読書である。

《主要項目》

第１章　なぜ、光配向か
分子配向／E. H. Landの発明／液晶分子の配向／光分子配向／コマンダー分子とソルジャー分子

第２章　分子配向における光学と光化学
光の粒子性と波動性／光のかたより／偏光フィルム／光の吸収／分子配向が起こる光吸収の条件／二色性の発生／分子配向と分子再配向

第３章　光分子配向にみる材料化学
反応空間／自由体積／高分子超薄膜の特異性／単分子膜／液晶の世界

第４章　液晶による光分子配向の増幅
光分子配向と液晶／分子配向に対する高分子の構造特性の効果／アゾベンゼンの挙動／協同的な分子配向－コマンド効果／分子の形とコンホーメーション

第５章　非偏光による分子配向
チルト配向／斜め光照射によるワイゲルト効果／チルト配向の評価／非偏光による分子配向の一般性／反応光の透過率向上／高分子中での光分子配向のメカニズム／光化学反応をともなわない分子配向

第６章　界面分子配向から液晶への配向転写
一体配向型と界面配向型／コマンドサーフェス／界面配向／単分子配向膜／高分子配向膜／有機分子超薄膜

第７章　液晶の面外光配向制御
光で制御できる多様な液晶配列／光で駆動する液晶デバイス／コマンダー分子の形／コマンダー分子の構造と充填密度／動的なホメオトロピック配列／濡れ性と液晶配向／動的な濡れ性変化としての液晶光配向／高分子膜による液晶光配向

第８章　液晶の面内光配向
面内光配向の条件／高分子薄膜による面内光配向／単分子膜による面内配向制御／液晶配向の露光エネルギー量／光配向の反転

第９章　液晶のチルト配向光制御
チルト配向の意義／光の入射角と液晶のチルト角／プレチルト角に及ぼす諸因子／チルト配向の安定化

第10章　さまざまな液晶の光配向制御
液晶への光配向転写のさらなる展開／ネマチック高分子液晶／スメクチック液晶／コレステリック液晶／ディスコチック液晶

第11章　リオトロピック液晶の光配向
リオトロピック液晶の世界／分子集合体としてのリオトロピック液晶／色素水溶液の配向／液晶性水溶液の光配向／色素膜の光配向／メソポーラス材料の光配向制御

第12章　光分子配向の応用
光分子配向の特徴／液晶配向膜と照射方式／液晶光配向膜と材料／光学異方性フィルム／配向色素パターン／偏向有機ＥＬデバイス／ホログラム記録

米田出版発行