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 『バイオレオロジー』

 

 貝原 眞・坂西明郎 著

 A5判 246頁 定価 (本体3600円+税)
 ISBN4-946553-01-0 C3043

 

 

《内容》

 バイオレオロジーはレオロジーを基本にした生物学、物理学、化学、工学、医学に関連する境界領域の学問である。本書は、医学の問題をも対象として、長年にわたりバイオレオロジーの研究をしている実験屋によって執筆された参考書である。
 バイオレオロジーをこれから学ぼうとする学生や若い研究者のために、レオロジーの基礎や測定法をわかりやすく説明し、生体を構成する成分の構造や機能もある程度学ぶことができるように記述してある。
 長い間、日本バイオレオロジー学会誌の編集に携わった著者の経験に基づいて、バイオレオロジーの広い領域を網羅してある。本書によって、分野の異なる医学、理工学の研究者にもバイオレオロジーの本質や研究の重要性を理解していただけるであろう。

《主要項目》

第1章 レオロジーとバイオレオロジー
レオロジー/バイオレオロジー/他分野との関係

第2章 レオロジーの基礎
応力とひずみ/液体の流動/固体の変形/静的粘弾性/動的粘弾性/緩和スペクトルと温度時間換算則/法線応力効果と非線形性

第3章 レオロジーの測定法
液体の粘度測定/静的粘弾性測定/動的粘弾性測定

第4章 血液のレオロジー
血液の構成成分/血液の粘性/赤血球の凝集と血液の粘弾性/血沈/円管内の血液の流れ/血液の循環

第5章 血液凝固のレオロジー
血液凝固のメカニズム/血液凝固過程の測定法/血液凝固に影響を及ぼす因子/フィブリンゲル形成の速度論的解析/フィブリン網目構造/血液凝固ゲルのレオロジー的性質/凝固初期反応のレオロジー的解析/血栓溶解(線溶)過程の粘弾性の変化/血栓形成と血流

第6章 血管のレオロジー
血管/血管の応力-ひずみ関係/血管の粘弾性/血管壁の構造とゴム弾性/脈波の伝搬とソリトン

第7章 細胞のレオロジー
赤血球のレオロジー/血小板のレオロジー/白血球のレオロジー/血管内皮細胞のレオロジー

第8章 軟組織のレオロジー
触覚センサによる軟組織の硬さの測定/海の生物のレオロジー

第9章 筋肉のレオロジー
筋肉の構造/収縮たんぱく質/マクロ筋肉系のレオロジー/筋収縮とレオロジー

第10章 生体粘液のレオロジー
ムコ多糖のレオロジー/生体粘液のレオロジー

第11章 生体高分子溶液のレオロジー
核酸、ポリペプチド水溶液/コラーゲン

第12章 生体硬組織のレオロジー
骨のレオロジー/関節のレオロジー/歯のレオロジー

第13章 臨床レオロジー
臨床血液レオロジー/動脈硬化/痰のレオロジー/膝関節リウマチ/眼科疾患とレオロジー

第14章 生体物質由来の食品のレオロジー
食品のテクスチャーとサイコレオロジー/食品のレオロジー測定

第15章 植物細胞、組織のレオロジー
細胞壁のレオロジー/原形質流動

第16章 バイオエレクトロレオロジー
生体物質の圧電現象/骨の圧電性と骨の成長

付録A ひずみテンソルと回転テンソル
付録B バイオレオロジー関連用語
付録C 本書で使用したレオロジーに関連した量の記号と単位
付録D レオロジーおよびバイオレオロジーに関係のある参考書


米田出版 発行