■自衛のための戦争 2005/06/08
ご質問をいただいていないまま最後に追記することをお許しください。
9条が「自衛のための戦争」を放棄しているかどうかが議論になりますが、それは権利としての戦争か、
義務あるいは権利としての防衛かによって判断されることになります。
真珠湾攻撃や満州攻撃の立案者は、その攻撃を自衛のための戦争というでしょうが、それは「攻撃は
最大の防御である」という命題に従っており、9条で明確に放棄されています。
英米仏蘭四国連合艦隊の下関砲撃に対して、長州藩の奇兵隊が防戦しました。これは義務としての
防衛であり、9条で放棄されていません。但し先に砲撃したのは長州藩であり、領海を侵犯したかどうか
が問題になります。
9条の文言は、満州攻撃や真珠湾攻撃で始まった第二次世界大戦により、被害を受け、命を失った
沢山の人々から流された血によって石版に刻まれた文字のように思います。
それは闇の川を流れる灯篭のように、もう動かなくなった時計のように、失われた命のレクイエムとして、
深い悔悟と反省の文言になっています。
防衛ができないと勘違いして、その文言を変えたいという人がいれば、再び真珠湾攻撃や満州攻撃の
ようなことをするのですかと聞きたい。
9条がそのまま残り、世界が平和であることを祈っています。