■欲望と戦争 2005/05/24
人間の欲望が戦争の原因だとすると、戦争が必要かどうか判断するのは困難です。それは欲望が必要
かどうか判断するのと同じことになります。
己の欲望に打ち勝つ理性は必要と思いますが、他者の欲望を不要と判断することはできない。
「戦争が必要かどうか」という設問は戦争が所有できるものだと仮定しています。戦争が所有できな
いものだとすると、この設問は成り立ちません。憲法9条は権利としての戦争を放棄しています。権
利としての戦争は所有できるものとしています。従って、権利としての戦争は必要ではありません。
義務としての戦争を保持するとは、国連平和維持軍が結成された場合、それに参加することを意味し
ます。平和維持軍の義務としての戦争は「百害あって一利なし。」とは言えません。
義務としての防衛、権利としての防衛について、9条は何も規定していませんので、保持するかどう
かの考察が必要です。