68.優しさの系譜
女は神に近い
その優しさには比類がない
罪を犯した女が、男に奉仕することによって、許されると思うなんて
三万年前、ナウマン象が、日本を楽園として歩いていた時
母なる象は、女系家族の集団で、平和に暮していた
ヒトが四百万年前に現われるよりも、ずっと前、数千万年前から
象は長い歴史を生き続け、地球上の到る所にいた
五千万年前の象の祖先のメリテリウム
三千万年前の非常に沢山の種類に分化した
マストドンの祖先のパレオマストドン
二千五百万年前から始まる中新世の頃には
世界中に発達した大草原と共に、オーストラリアを除く
全世界で、マストドンの仲間達が、豊かに暮していた
二百万年前、洪積世になって、エレファス段階の系統が現れた
日本には、ステゴドンの東洋象、アカシ象、エレファスのナウマン象
ヨーロッパには体高四メートルのアンチクウス象
そして、シベリアには、長い牙と長い毛を持つマンモス象の系列
インドには体高三・七メートルのナルバダ象
世界中に、大きくて優しい、母なる長い鼻の象がいた
象はその優しさによって繁栄した
そしてヒトに狩られ、追われた
ヨーロッパでも、日本でも、シベリアでも
ヒトは、女系となり、優しさを獲得することによって象の後継者となることができる