55.亀の祈り
お堀の水辺で数匹の亀が並んで甲羅干しをしている
朝の光が夜の間に冷たくなった亀を暖めている
亀には僕達と同じあるいはもっと強い太陽信仰がある
一億年以上続いた爬虫類の時代
亀と蛇は長く続く繁栄を願い続けた
そして敬虔な信仰生活に入った
信仰とは抽象化された願いであり、自己を捨てた祈りとの一体化である
蛇は手足を失うことによって、亀は重い甲羅を背負うことによって
信仰生活に入った
祈りはDNAに変化を及ぼし
宇宙の変化、意識の変化、美醜の変化を形質として獲得し
遺伝させる