53.素足
膝が少し見えるぐらいの素足が
寝ている僕の眼の前を行ったり来たり
素足の持ち主はそれが僕にどれ程大きな影響を与えているかに気がつかない
綺麗な足だ
スカートから膝の奥が少し見えて
それが神秘への入口と思うと心が希望に震える
僕はもう何回も同じ光景を見た
寝ている僕の目の前を素足が行ったり来たり
何度見ても同じような新鮮な希望が湧き起こり歓びに満たされる
子供のときに初めて銭湯の女風呂で
若い母親が素裸で赤ちゃんの世話をしている後ろ姿に
尻から足の線の奇妙な美しさの感覚に気がついたときから
ずっと同じ
何度見ても美と感動に包まれる
僕達は実は奇跡の中に生きている
ここが神様の住む奇跡の場所だ
この素足はアフロディテの素足とほとんど変わらぬ感動を伝えてくれる