48.真・善・美 U
真偽は表現が実体から離れている為に存在し
善悪は行為が実体から離れている為に存在し
美醜は感動が実体から離れている為に存在する
存在するものは必ず真偽があり善悪があり美醜がある
真偽・善悪・美醜は測定の尺度による
一ミリメートルの誤差は一センチ刻みの物差しでは真となり
一ミクロンの刻みの物差しでは偽となる
復讐は悪だが仇討ちは善となる
小さな乳房が美しいか豊満な乳房が美しいか
大きな二重瞼の眼がいいのか小さな一重の眼がいいのか
美醜は定まらない
僕達が持つべきものは愛の尺度だ
真偽・善悪・美醜は愛の海の中に浮き沈みする泡
存在するものは泡でしかなく
愛こそ実体であり、実体は存在しない
対称性が破れている為僕達が存在していて
真・善・美に悩み愛に悩む
愛は存在するもののすべてであり実体であるが存在はしない
尺度として言葉として形式として法則として
海となって存在するものを創造する