47.蟻の葬式

道に一匹の蟻が横たわり息絶えていた
周りに数十匹の蟻がいて代る代りに死んだ蟻の所へ行き
軽く前足で触れて別れの挨拶をしていた

僕達の葬式と同じように厳粛で形式と秩序があった
DNAの中に高度な社会生活を営むことがプログラムされていて
女王蟻、兵隊蟻、働き蟻として厳密な社会の掟の中で暮している蟻が
僕達と同じような葬式の形を持っていることは何の不思議でもない

僕達と同じように自己犠牲が最も敬意を払われる行為であることは疑えない
蟻は存在の最初からこのような社会の構造を持っていたのか
歴史の経過の中で違った社会になることはあり得ないか

クィーンだけでなくキングも現われるとか一夫一婦制になるとか
僕達も社会の構造に関してはそんなに自由な選択肢を持ってなくて
民主主義で将来とも変わらないだろう