46.ヒトの起源ー仮説
霊長目、真猿亜目、ヒトニザル上科、ヒト
ヒトニザル上科には他にチンパンジー
ゴリラ、オランウータン、テナガザルがいる
DNAの解析によればヒトとチンパンジーは
四百万年前に系統が分かれた
ヒトの頭骨はチンパンジーの胎児の頭骨によく似ているので
チンパンジーの幼形成熟だろうとも言われている
遺伝子上のヒトとチンパンジーの差は
ウマとシマウマの差と同程度と計算されている
雄のウマと雌のシマウマは混血し、ホップスという雑種を作ることができる
ウマがシマウマに欲情することは理解できるが
ヒトがチンパンジーに欲情することは考えにくい
二五〇〇万年前から始まる新生代中新生は
高温で森林が繁茂し、類人猿が栄えた
食料が豊富にある時代には中立進化したものが生存し
種分化が頻繁に起る
地球は次第に冷却し
千三百万年前の鮮新世から気候の寒冷化はますます進行し
五五〇万年前には地中海が干上がってしまった
寒冷化と乾燥化によりアフリカの森林は縮小し、草原が広がった
そしてウシ科レイヨウ類の爆発的な種分化が起った
草原のウシ科にとって豊かな時代は
森林の類人猿にとっては食料の減少する過酷な時代となった
チンパンジーとヒトの共通の祖先は
食料争い、群間の闘争、子の間引
サバンナへの大量の子捨て等を行った
サバンナに捨てられた子供達が
ウシ科やヤギ等の乳で生き残り
ヒトの祖先となった
チンパンジーは普通は森の果実を食べているが
時に小さなレイヨウ類を肉食する
その時は非常に興奮して、群の中で争い食べる
地球上で最も獰猛で、最悪の狩人はヒトだ
最初にマンモスやクジラに出会ったヒトは相手を食べてやろうとよく考えたものだ
親に捨てられた子供が持つ復讐心と憎しみと虚無感を持っている
そして愛に飢えている
チンパンジーやゴリラがゾウや水牛を食べるようになるとは思えない
十万年前に肩の高さが三メートル以上もあるナウマン象を追って
ヒトは日本に入って来た
シベリアのマンモスもヒトに石を投げ落とされて殺されているものがいる
数千万年もの間、オーストラリアを除く世界の各地に棲んでいたゾウが
今はただ熱帯の一部にしかいない
気候の変化の為に食料がなくなったのか、ヒトに狩られて滅んだのか
熱帯ではゾウを食べなくてもヒトの食料は確保できた
あるいはゾウを食べるという程の憎しみを持たなかった
熱帯地方で牛を食べないという習慣を持ち続けているように
ヒトは親に捨てられたという孤独と憎しみを持ち続けている
そして、数十万年前から増え続け、地球を蔽い
種族間の闘争を繰り返して来た
二万年前、今より百二十メートルも海面が低かった氷河時代の終りに
アジアから、陸化したベーリング海峡を渡り
南北アメリカにもヒトが入った
マンモスとナウマン象は多分混血して子を作ることはなかった
ヒトは世界のどの地にいる種族とも混血して子孫をつくることができる
これはヒトが遺伝子の進化速度よりも非常に短い間に
世界に拡がったことを示している
あるいは現在のヒト種のみ繁栄し
他の猿人や原人を圧倒し
滅亡させたのかも知れない
現在も、ヒト種に圧倒され、多くの生物種が絶滅している
ヒトの中で愛を伝えたイエスが去ってから二千年経つ
生死解脱の法を解いた釈迦が涅槃に入ってから二千五百年経つ
復讐と憎悪と孤独のヒト種に愛が宿って欲しい